妊娠初期のHは赤ちゃんに影響する？セックスする際のポイントやおすすめの体位を解説

あらためて妊娠初期をおさらいしておこう

妊娠初期とはどのような時期を指しているのか、あらためて確認しておきましょう。

妊娠初期はいつからいつまで？

妊娠初期とは妊娠15週目のことで、妊娠から2〜4カ月頃までを指します。一般的には、生理の予定日を大幅に過ぎ、「妊娠しているかもしれない」と気づき始める時期です。妊娠すると、体内では赤ちゃんを育てるための環境づくりが始まり、大きな変化が起こります。たとえば、妊娠初期の主な症状として、チクチクやズキズキなどの腹痛を感じる人も少なくありません。

つわりが始まる時期

妊娠初期は、つわりの症状が出始める時期です。つわりの症状が早く出やすい人は、妊娠4週目頃から始まるケースもあります。つわりの主な症状は、胃腸の不快症状や便秘、頭痛などが挙げられます。ただし、つわりの症状が出にくい人や比較的症状が軽い人もいるため、必ずしも妊娠初期につわりの症状が出るとは限りません。

妊娠初期のセックス事情

妊娠初期には腹痛やつわりの症状などもあることから、セックスしたいと思わなくなる人もいます。また、妊娠前に比べ、挿入時に痛みを感じやすくなる場合もあります。挿入時に痛みを感じるのは、妊娠による精神的な負担や、膣の潤滑液の分泌量が減少することなどが原因です。

他にも、赤ちゃんを育てる環境づくりのために体内で起きている変化によって、膣が敏感になったために挿入時に痛みを感じるケースも珍しくありません。

妊娠初期のセックスが赤ちゃんに与える影響とは

妊娠初期にセックスした場合は、赤ちゃんにどのような影響があるのか以下で詳しく解説します。

基本的に赤ちゃんには影響は及ばないといわれている

妊娠初期のセックスは赤ちゃんに影響が及ぶことはないと考えられており、基本的には問題ないでしょう。ただし、妊娠初期はつわりなどの症状が出やすいため、体調を考慮するなどの注意が必要です。また、体調や赤ちゃんのことを第一に考えてセックスは控える、避けるという選択肢もあります。

1人で悩まずにパートナーとセックスの頻度などについて、話し合う時間を設けるようにしましょう。

妊娠初期のセックスと流産との関係性

妊娠初期にセックスをしたら流産のリスクは高くならないのか、不安を感じている人もいるかもしれません。一般的に、妊娠初期に起こる流産は、胎児の遺伝子や染色体の異常が要因です。ただし、妊娠初期に感染症を引き起こした場合は、流産のリスクが高まります。

また、過去に流産の経験がある場合は、妊娠中にセックスすると流産のリスクが高まる可能性があります。妊娠中のセックスに不安がある場合は、かかりつけの産婦人科医に相談しましょう。

精神的な負担からストレスを感じやすくなる場合もある

妊娠すると緊張感が高まる、流産への不安を感じるなど、妊娠前に比べて精神的な負担を感じやすくなる場合もあります。具体的には、緊張や不安から性欲が低下してパートナーとのセックスを楽しめなくなる、お腹の張りや出血などの症状が現れ不安になるなどが挙げられます。

緊張や不安を解消できないままでいると、ストレスを感じやすくなる人も少なくありません。妊娠初期のセックスに強い不安がある場合は、ストレスを軽減させるために控えるのも一つの方法です。

妊娠初期にセックスするとどのようなリスクがある？

妊娠初期にセックスした場合にどのようなリスクがあるのか、以下で解説します。

妊娠初期にセックスをするリスク

妊娠中のセックスは可能ですが、いくつかリスクがあるため注意が必要です。たとえば、挿入時に子宮頚部へ刺激が伝わると子宮が収縮しやすくなる可能性があります。また、妊娠中は免疫機能が低くなり、ウイルスや細菌などに対する抵抗力も低下するため、感染症のリスクが高まります。

精液には子宮頸管を柔らかくする物資が含まれていることから、早産になる可能性があるといわれていますが、実際には科学的な根拠はありません。ただし、妊娠37週目頃までは膣内での射精は控えるのが理想的です。

妊娠初期にセックスする際のポイント1：セックスを控えたほうが良い場合は？

かかりつけの産婦人科医から控えるように指示されていない限り、セックスをしても問題ありません。しかし、妊娠初期にセックスを控えたほうが良いケースもあります。
たとえば、以下にあげるような症状がある場合です。

・お腹が張っている
・出血がある
・いつもと異なるおりものが出ている
・逆子の可能性が高い
・子宮頸管が短い
・前置胎盤、低置胎盤の診断を受けている　など

上記に加えて、医師から安静にするようにいわれている場合も、セックスを控えるようにしましょう。

妊娠初期にセックスする際のポイント2：避妊具は必要なの？

妊娠初期にセックスする場合は、避妊具を装着するのが望ましいとされています。避妊具を装着してセックスすべき理由は、妊婦が感染症になるリスクを減らすことができるためです。妊娠中はウイルスや細菌に対する抵抗力が低下しやすいため、感染のリスクが高まります。

また、精液に含まれるプロスタグランジンという物質の作用により、子宮頸管が柔らかくなってしまいます。子宮頸管が柔らかくなると、早産につながる可能性があるため注意が必要です。

妊娠初期にセックスする際のポイント3：おすすめの体位は？

妊娠中のセックスの体位は、体に無理のない体勢ならどのような体位も可能といわれています。以下では、おすすめの体位を解説します。

妊娠初期のセックスに向いている体位1：座位+バック

妊娠初期は腹部への圧迫が少ない座位+バックの体位がおすすめです。座位+バックとは、男性が両足を伸ばした状態で座り、男性の足の上に女性が腰をかけた状態になり、後から挿入する体位のことです。

妊娠初期のセックスに向いている体位2：バック

バックも腹部への圧迫が少ない体位です。バックとは、女性が両手両足をベッドなどにつき四つん這いの状態になり、男性が後から挿入する体位のことです。両手はベッドサイドなどにかける姿勢になれば、体を支えやすくなります。

妊娠初期のセックスに向いている体位3：横向き

男性と女性が同じ方向に横向きに寝ながら、後から挿入する体位も向いています。横向きのセックスは、正常位よりも負担が少ないといわれています。正常位でセックスした場合は、仰向けになることで息苦しさを感じる人もいるため注意しましょう。

妊娠初期のセックスで知っておくべき注意点

妊娠初期にセックスする場合は、以下で解説する注意点と対策を把握したうえで行いましょう。

身体を清潔にしてから行う

妊娠中は免疫機能が落ちやすく、膣内の自浄作用も低下する傾向にあります。免疫機能が低下すると、ウイルスや細菌などへの抵抗力が下がるため、細菌感染や性感染症などを発症するリスクが高まります。たとえば、避妊具を装着せずに挿入する、オーラルセックスを行うなどの行為は感染症のリスクが高まるため、できるだけ避けるのが望ましいでしょう。

対策

妊娠中のセックスで感染症にならないための対策は、避妊具を使用することです。また、セックスする際は、あらかじめ入浴を済ませておくなど、体が清潔な状態で行うことが大切です。入浴後に体を拭くタオルも清潔なものを使用しましょう。

体調にあわせて行う

上述したとおり、妊娠初期は腹痛やつわりなどの症状が出やすく、性欲が減退しやすい時期です。セックスする際は、体調にあわせて行うようにしましょう。また、長時間のセックスは汗などで体を冷やす可能性があります。さらに、腹部を圧迫する体位や息苦しさを感じる体位は避けることをおすすめします。

対策

体調が良いときでも、無理なく楽だと感じられる体位で行うようにしましょう。一般的に、胎盤が安定するのは、妊娠16週目（妊娠5カ月）頃といわれています。安定期に入るまでは、挿入を避けるのも一つの方法です。

気分が乗らないときは避ける

妊娠中のセックスは問題ないと知っていても、赤ちゃんへの影響がないか気になり、セックスに集中できないという場合もあるでしょう。気分が乗らないときは、パートナーから求められたとしても無理にしないようにしましょう。ただし、セックスはパートナーとのスキンシップを図るうえで大切なものです。

対策

セックスする際は、体調を見ながら行うことが大切です。事前にパートナーと話し合い、気分が乗らないときもあることを伝えておきましょう。また、つわりなどの体調の変化や赤ちゃんへの影響などの不安も、パートナーと共有しておくと良いでしょう。