妊娠初期に運動のために歩くのはアリ?メリットや妊婦が避けるべき運動・注意点を解説
「妊娠初期に歩くなどの運動をしても大丈夫なのか」と、気になる人も多いのではないでしょうか。この記事では、妊娠初期の人に向けて、歩くといった運動をするメリットや、運動を始める前に意識しておきたいポイント、運動するときの注意点、妊娠初期に向いていない運動などについて解説します。妊娠初期で運動を始める際の参考にしてください。
- 妊娠初期に歩くなどの運動は問題ないのか
- 妊娠初期の運動不足解消には歩くのがおすすめ
- 妊娠初期に歩く習慣を作ることが大切な理由
- 妊娠初期に歩く習慣を身につけるメリット
- 妊娠初期に歩くときの姿勢や方法
- 妊娠初期に向いていない運動や動作
- 妊娠初期の妊婦が歩く際に注意すべきこと
- まとめ
妊娠初期に歩くなどの運動は問題ないのか
妊娠初期でも、これまで通り家事をする、近所を歩くなどの軽度な運動であれば今すぐ始めても問題ないでしょう。
ただし、妊娠初期に長時間立ちっぱなしでいる、慣れない運動を急に始めるなど、妊娠前よりも体に負荷がかかるハードな運動はおすすめしません。妊娠初期では運動を始める前に、かかりつけの産婦人科医に相談し、運動をしても問題ないか確認することが必要になります。
妊娠初期の運動不足解消には歩くのがおすすめ
妊娠初期の運動不足解消には、歩くことがおすすめです。以下に、運動可能な時期や時間の目安などを解説します。
運動が可能な時期・時間の目安
妊娠初期の場合、つわりなどの体調不良を生じやすいため、健康状態を見ながら無理なく運動することが良いでしょう。妊娠初期では、歩きながら会話ができる程度のゆっくりとしたペース(120歩/分)が理想的です。
妊娠初期の運動は、子宮収縮の出現頻度が少ない午前10時〜午後2時の間に行うことが望ましく、週2・3回程度、1回あたり60分以内を目安にすることがおすすめです。妊娠前にあまり運動していなかった人は、まず1回あたり5分程度から始めると良いでしょう。
運動だけでなく体重管理も必要
妊娠初期では運動だけでなく体重管理も重要になります。個人差はありますが、妊娠中は体重が増えてしまいがちです。妊娠初期の過度な体重増加は、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病、微弱陣痛などの発症リスクを高めるため、運動による体重管理が大切です。妊娠初期でBMI値が25以上の場合、かかりつけの産婦人科医に基礎疾患の有無を確認した方が良いでしょう。
BMIとは、肥満度を表す指標として国際的に用いられている体格指数で、「体重(kg)÷(身長(m)× 身長(m))」で計ることができます。18.5未満が「低体重(やせ)」、18.5以上25未満が「普通体重」、25以上が「肥満」となります。
※参考:BMI(BMI)|e-ヘルスネット(厚生労働省)
妊娠初期に歩く習慣を作ることが大切な理由
妊娠中の運動と安産・難産との因果関係は、科学的に証明されていません。ただし、お腹が大きくなり活動しにくくなることで、運動不足や体重増加を招くことがあります。
妊娠初期の運動不足解消には血流を促したり、酸素や栄養を全身に行き渡らせるために適度な運動をしたりしましょう。妊娠中に運動することによって食欲の増進、便秘の改善、下肢のむくみの軽減なども期待できます。
妊娠初期に歩く習慣を身につけるメリット
妊娠初期に歩く習慣ができると、出産へ向けて体力がつくうえに、さまざまなメリットが得られます。以下にメリットを解説します。
出産・産後に向けた体力づくり・体重管理ができる
妊娠が体力を消耗する出産に備えるには、体力づくりが欠かせません。また、出産までに筋肉やスタミナをつけておくと、産後に体力をなるべく早く回復させるうえでも効果的といわれています。
妊娠初期から適度な運動習慣を身につけることで、上述したように過度な体重増加による妊娠高血圧症候群や糖尿病などの発症を予防できることもメリットといえます。
むくみやつわりの軽減も期待できる
妊娠初期のむくみの原因として、ホルモンバランスの変化や長時間同じ姿勢でいることなどが挙げられます。
妊娠初期に歩くことによって全身の血流が促されれば、むくみの改善につながります。運動して血行が良くなることで、腰痛や肩こりなどの改善にも役立ちます。さらに、リフレッシュ効果によって軽度のつわりを改善できるといわれています。
便秘の予防につながる
妊娠中は無理をせず、体調面の配慮から安静にする場面も多いため、運動不足になりがちです。運動不足になると代謝が促されず、便秘になりやすくなってしまいます。
食事量の変化やホルモンバランスなども便秘を招く原因のひとつです。妊娠初期に、歩くことで血流が良くなり、腸の動きも活発化されるようになれば、便秘の予防につながります。
ストレスの発散になる
妊娠中は、体の変化が生じるだけでなく、ホルモンバランスの変化や出産に対する不安などでストレスが溜まるケースも多いです。家にこもるのではなく、体調の良いときに外に出て歩けば、気分転換につながることでしょう。運動することによってセロトニンというホルモンが分泌され、リフレッシュ効果も期待できます。
妊娠初期に歩くときの姿勢や方法
妊娠初期では、歩く際に気を付けておきたいことがいくつかあります。以下に、歩く姿勢や方法、コツについて解説します。
反り腰にならないように背筋を伸ばして歩く
妊娠初期で歩くときには、「反り腰」にならないよう姿勢に気を付けてください。特にお腹が大きくなってくると、バランスを取ろうとして腰を反らす姿勢が増え、腰痛の原因となってしまいます。歩く際には、自然に背筋を伸ばし、正しい姿勢を保ちましょう。また、脇を締めて肘を曲げ、無理しない範囲で腕を振って歩けば、上半身への運動効果も期待できます。
足の親指のつけ根に体重をかけるイメージで歩く
妊娠初期の人が歩く場合、反り腰にならない歩き方が理想です。上述した通り、背筋を伸ばして歩くようにしましょう。
また、腰痛の原因となる反り腰の人は後ろ重心で、かかとに体重をかけて歩いていることが特徴です。妊娠初期で歩く際は、自然に重心を前にして歩きましょう。足の親指のつけ根に重心をかけるイメージで歩くと、反り腰を予防できるのでおすすめです。
安定感・衝撃を吸収する靴がおすすめ
妊娠初期は体調の変化が大きく、つわりや貧血が起こりやすい時期です。ふらつきや転倒によるダメージから母体や赤ちゃんを守るためにも、歩くときは安定感があり、衝撃を吸収してくれる靴をおすすめします。厚底でなく安定感のあるスニーカーや、歩きやすいストラップ付のフラットシューズなどを選ぶことがおすすめといえます。
妊娠初期に向いていない運動や動作
妊娠初期に向いていない運動・動作について以下に解説します。運動の際は次の点に注意してください。
妊娠初期に向いていない運動・動作1:スキップやジャンプなどの動き
妊娠初期の妊婦が揺れの大きい運動をすると、振動が母体にとって負荷となり、トラブルを招くことがあります。妊娠中に、何度もジャンプをする縄跳びや、振動を受けやすいスキップやダンスなどは避けてください。
また、妊娠中は体型の変化などにより、運動中にバランスを崩して転倒する恐れも想定されます。妊娠中は通常の運動でも、普段より注意が必要でしょう。
妊娠初期に向いていない運動・動作2:ボールを使用したスポーツ
妊娠中はプレイヤー同士が接触しやすく、バランスを崩しやすいハードなスポーツはおすすめしません。
テニスやサッカー、バレーボール、バスケットボールなどのスポーツは、ハードで母体に負荷がかかりやすく、接触の危険性があります。また、お腹にボールが当たってしまうと非常に危険です。妊娠中はこれらのスポーツは避けてください。
妊娠初期に向いていない運動・動作3.体を大きくひねる動き
体をひねる動きや運動は、お腹に負荷がかかりやすいものです。ひねるといってもヨガのようにゆっくりとした動きなら可能ですが、ゴルフや野球、ボクシング、ハードなダンス、バレエなどのように体をひねる動きが多い運動は、妊娠中にはおすすめしません。妊娠中は無理のない範囲で続けられる運動や、ゆっくりとした動作が多いものを選びましょう。
妊娠初期の妊婦が歩く際に注意すべきこと
妊娠初期では運動中の体調変化に備えておきましょう。妊娠中は、歩くときはいつでも医療機関を受診できるようにスマホや母子手帳、かかりつけの医院の診察券、健康保険証などを事前に準備しておくことが大切です。以下に、妊娠初期の妊婦が歩く際の注意点を解説します。
妊娠初期に歩くときの注意点1:運動の前後にストレッチを必ず行う
妊娠中は、血行が悪くなったり、凝り固まっていたりする場合があります。歩く前はしっかりストレッチをして固まった筋肉をほぐし、血行も良くしておきましょう。ストレッチによってケガを予防できるという効果もあります。また、歩いた後にもストレッチをすると、疲れが残りにくくなり、妊娠中に気になるむくみも予防できます。
妊娠初期に歩くときの注意点2:水分補給をしっかり行う
妊娠中でなくても、運動時は汗をかきやすいものです。特に妊娠中の場合は代謝がアップするため普段より汗をかきやすくなります。妊娠中は栄養や酸素を赤ちゃんに届けるために、体内を循環する血液量が増えるため、水分補給が大切になります。運動後に、大量に水を飲むと気分が悪くなることがあるので、少量をこまめに飲むようにしてください。
妊娠初期に歩くときの注意点3:壁に近い場所を歩く
妊娠中は体の変化にともない、歩いているときにバランスを崩しやすくなります。また、歩く前は不調を感じていなくても、途中で思わぬ変化が生じることもあります。
妊娠中の転倒を防ぐ、休憩をこまめにとるためにも、壁や手すりなど、寄りかかったりつかまったりできるもののそばを歩きましょう。妊娠中に歩くときは、体調の変化や疲れを感じた場合は無理せず休んでください。
妊娠初期に歩くときの注意点4:合併症がある人はかかりつけの産婦人科医に相談する
妊娠中は、体にかかる負荷でトラブルが生じることがあります。妊娠高血圧症候群や性器出血、切迫流産などの合併症がある人は、運動時の負荷によって症状が悪化してしまう恐れもあります。事前にかかりつけの産婦人科医に相談し、定期的な運動をしても良いか、良い場合は歩くペースや頻度、運動時間がどの程度なら良いかなど確認しましょう。
妊娠初期に歩くときの注意点5:汗をかいたらシャワーを浴びて清潔な状態を保つ
上述した通り、妊娠中は新陳代謝が高くなるため、汗をかきやすくなります。汗をかいたままの状態を放置すると、身体が不衛生な状態になる可能性もあります。運動後は入浴やシャワーで汗を流すと、体も気分もさっぱりします。ただし、妊娠中はのぼせやすいので、長時間の入浴や高温のお湯につかるのは避けてください。
妊娠初期に運動することは、体力づくりや気分転換などに役立ちます。しかし、妊婦が運動をする場合には、向いている運動のタイプをチェックする、ストレッチや持ち物確認など事前準備をする、体調管理に気を付けるなど、注意すべきポイントがいくつかあります。本記事を参考に、無理のない範囲で体を動かしてください。
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