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妊娠初期の検査は自己負担?妊婦健診にかかる費用の目安や内容を解説
2022.12.28お金

妊娠初期の検査は自己負担?妊婦健診にかかる費用の目安や内容を解説

この記事の監修者

「はぐコレ」編集部

母体の健康や赤ちゃんの発育を確認するために、妊娠初期から検査を受ける必要があります。しかし、検査にはお金がかかるため、どのくらいの費用が必要なのか不安に思っている人もいるでしょう。この記事では、妊娠初期から受ける必要のある妊婦健診にかかる費用を解説します。また、出産にかかる費用目安や医療費以外に必要な費用も紹介するので、参考にしてください。

もくじ
  • 妊娠初期の母体の状態とは
  • 妊娠初期から受ける検査の目的とは
  • 妊娠初期からの検査費用一覧
  • 妊婦健康診査受診券(補助券)とは
  • 妊娠初期から出産までの検査内容とは
  • 検査以外に必要な費用の目安
  • 確定申告の医療費控除で費用が返ってくることもある
  • 出産後にかかる医療費以外の費用とは
  • まとめ

妊娠初期の母体の状態とは

妊娠初期は体の見た目が変化しないため、妊娠しているかどうかわからない場合が多いです。しかし、体内では血しょうの増加や神経過敏など、さまざまな変化が起きています。妊娠初期は不安定な時期でもあるため、なるべく負担をかけないようにする必要があります。


妊娠してからある程度の時間が経てば、つわりによって妊娠に気がつく人も少なくありません。妊娠12〜15週頃になれば、子宮はグレープフルーツ程度の大きさになっています。体の外からでもお腹の膨らみが少しわかるようになり、周囲の人も妊娠に気がつくようになるでしょう。

妊娠初期から受ける検査の目的とは

そもそも、妊娠初期からなぜ検査を受けなければいけないのか、疑問に思っている人もいるでしょう。妊娠初期から受ける検査の目的としては、以下が挙げられます。


・母体と赤ちゃんの状態を確認する

・出産や育児に関する悩みを相談し、妊娠期間を安心して心穏やかに過ごしてもらう


妊娠中には健康面、精神面で何らかのトラブルが起こるケースも少なくありません。妊婦健診によって妊婦と赤ちゃんの健康面をチェックするだけでなく、精神的なケアをすることなども目的です。

妊娠初期からの検査費用一覧

妊娠初期から出産までの検査には、どの程度の費用がかかるのでしょうか。検査費用と検査回数の一覧表は以下のとおりです。

妊娠週数検査費用回数
初期約30,000円2回
23週目まで約4,000円4回
35週目まで約6,000円6回
出産まで約12,000~20,000円約4回

以下では、妊娠の週数に応じた検査費用やポイントを解説します。

妊娠初期~23週(6ヶ月)まで

妊娠初期から23週目までは、1ヶ月に1回の頻度で検査を受けます。合計で6回の検査を受けることになるでしょう。


費用は1回あたり1,000円程度ですが、これは妊婦健康診査受診券(補助券)という割引券のようなものを使った場合です。妊娠確定までは妊婦健康診査受診券がもらえません。そのため、一般的に初回と2回目は全額自己負担となり、合計で30,000円程度の費用がかかります。


妊娠初期から23週目までの検査費用は合計で、34,000円程度になります。

24週~35週(9ヶ月)まで

24~35週目までの検査頻度は、2週間に1回程度と妊娠初期よりも検査回数が多くなります。合計で6回検査を受けることになるでしょう。費用は妊婦健康診査受診券が使えるため、1回あたり1,000円程度、合計でおよそ6,000円かかります。

36週~出産まで

36週目から出産までの検査頻度は、週に1回とこれまでよりも多くなります。出産までには合計で約4回の検査を受けることになるでしょう。費用もこれまでよりも高くなり、1回あたり3,000~5,000円程度、合計で12,000~20,000円程度かかります。

妊婦健康診査受診券(補助券)とは

前段でも軽く触れましたが、妊婦健康診査受診券(補助券)とは、妊婦健診の際に使用できる割引券のようなものです。検査1回につき、補助券を1枚使用できます。自治体によっても異なりますが、一般的には14枚綴りとなっているケースが多いようです。また、割引額も自治体によって変わってくるため、住んでいる市区町村に確認してみましょう。


妊婦健康診査受診券は、妊娠が確定し母子健康手帳交付後に受け取ることができます。妊婦健康診査受診券の受け取り方は以下のとおりです。


1.初回検診で、妊娠の診断を出してもらう

2.住んでいる市区町村の役所に妊娠届を提出する

3.母子健康手帳交付と同時に、妊娠健康診査受診券が配布される

里帰り出産の場合、費用は償還払いになる

住んでいる市区町村ではなく、実家に帰って出産する里帰り出産をする人も多いでしょう。しかし、妊婦健康診査受診券は居住地の医療機関が対象となるため、里帰り出産の場合には使用ができません。


しかし、全額自己負担となると費用負担が重くなってしまうため、自治体から費用がキャッシュバックされる償還払いが適用されるケースもあります。妊婦健診で支払った費用の領収書を出産後に居住地の役所に提出することで、検査費用が助成される制度です。


制度について詳しく知りたい場合は、お住まいの自治体に確認してください。

妊娠初期から出産までの検査内容とは

妊娠初期から出産までには、どのような検査が行われるのでしょうか。ここでは、各タイミングでの検査内容を解説します。

初回

初回の検査では、本当に妊娠しているかを判定するための検査が行われます。一般的には尿検査、内診、超音波検査の3つの検査を受けることになるでしょう。


まずは、尿検査で妊娠反応があるかどうかを確認します。自宅で妊娠検査薬を使用して確認していた場合、省略されるケースもあるようですが、検査を受ける病院によって異なります。その後、内診・超音波検査で赤ちゃんが入っている袋(胎嚢)を画像で確認するという流れです。


場合によっては、膣エコーが使用される場合もあります。膣エコーとは、膣内に細長いプローブを挿入して、画像で確認する方法です。赤ちゃんが入っている袋が小さい場合、膣内エコーのほうが映しやすいため、妊娠初期で使われるケースが多いようです。

妊娠初期~23週(6ヶ月)まで

妊娠初期から23週目までは血液検査、子宮頸がん検診、性器クラミジア、経腹エコーの4つの検査を行うケースが一般的です。4つの検査を毎回行うのではなく、期間内に1回ずつ検査を行います。各検査の内容は以下のとおりです。

血液検査

・血液型:出産時に輸血が必要になった際に備える

・血算:貧血や免疫力、出血のしやすさの確認

・血糖:妊娠糖尿病の確認

・B型肝炎抗原、C型肝炎抗体、HIV抗体など:母子感染を防ぐため

子宮頸がん検診

がんが発見された場合、がんの進行度合いにより妊娠を継続するか治療を優先するかを決める

性器クラミジア

・早産の予防

・母子感染を防ぐため

経腹エコー

・赤ちゃんが正常に発育しているか

・羊水の量が適切か

・胎盤やへその緒の位置確認

24週~35週(9ヶ月)まで

24~35週目までは血液検査、B群溶結性レンサ球菌(GBS)、経腹エコーの3つの検査を行います。23週目までと同様に、すべての検査を毎回行うのではなく、検査期間内に1回ずつ検査します。


血液検査は、妊娠初期と同様に血算と血糖を測定する検査です。経腹エコーも妊娠初期と同じように、赤ちゃんの発育に問題がないかを確認するために行います。


また、妊娠24週目を過ぎたあたりから赤ちゃんの表情がわかるぐらいに、顔立ちがはっきりしてきます。3Dエコーや4Dエコーなら、立体的な画像や動画が見られるため、妊婦や家族にも喜ばれる検査です。


B型溶結性レンサ球菌(GBS)とは膣内の常在菌で、妊婦の5~10%に見られます。出産時に産道から赤ちゃんに感染する可能性があるため、膣口や肛門を綿棒で擦って検査を行います。

36週~出産まで

36週目から出産までの検査では血液検査、経腹超音波検査、NSTの3つの検査を行うケースが一般的です。血液検査では血算を測定し、経腹超音波検査では羊水量や胎盤の位置などを確認して、出産に備えます。


NSTとはノンストレステストの略で、30〜40分程度横になった状態で、赤ちゃんの心音や子宮収縮を記録する検査です。

検査以外に必要な費用の目安

妊娠した際にかかる費用は検査費用だけではありません。ここからは、検査以外に必要な費用の目安を解説します。

自然分娩の費用

自然分娩とは、特別な処置をせずに陣痛を待ち、自然に出産するタイプの分娩方法です。自然分娩の場合にかかる費用は、50万円程度だとされています。この費用の中には主に以下のような内容が含まれています。


・検査費用

・薬剤料

・処置、手当料


分娩は保険適用されないため、すべて自己負担となります。しかし、出産育児一時金として50万円(※)が支給されます。ただし、地域によって分娩にかかる費用は異なるため、さらに多くなるケースもあります。


(※)2023年4月より、子供一人あたりの支給額が42万円から50万円に引き上げられました。

帝王切開の費用

帝王切開とはお腹にメスを入れて子宮を切り、赤ちゃんを取り出す分娩方法です。何らかの事情によって自然分娩が難しいと判断された場合、帝王切開での分娩となります。


帝王切開の場合には医療行為となるため保険適用となり、高額療養費制度を活用できる可能性があります。高額療養費制度とは、月単位の医療費が自己負担上限額を超えた場合に支給されるものです。


このような制度が使えるため、費用総額としては自然分娩と同等か、もしくはプラス10万円程度で収まるでしょう。

無痛分娩の費用

無痛分娩とは、麻酔を使用して出産時の傷みを軽減させるタイプの分娩方法です。自然分娩同様に、保険適用はされません。麻酔代や子宮口を広げる処置などが必要となるため、自然分娩よりも費用は高くなります。一般的には、自然分娩に10~20万円程度プラスした金額がかかるケースが多いようです。


ただし、医療機関によっては費用が異なります。そのため、無痛分娩を検討しているのなら、出産予定の医療機関に確認してみると良いでしょう。

確定申告の医療費控除で費用が返ってくることもある

妊娠・出産費用は、医療費控除の対象となります。そのため、医療費が一定額を超えている場合には、確定申告で控除が適用されるため納める税金が安くなります。妊娠・出産費用だけでなく、その他の病気で支払った医療費も合算可能です。


ただし、医療費控除の対象とならない費用もあるため注意しましょう。たとえば、通院のために使ったガソリン代、差額ベッド代、里帰り出産のための交通費などは医療費控除の対象とは認められません。

出産後にかかる医療費以外の費用とは

出産で必要な費用は医療費だけではありません。妊娠中のマタニティ用品や、出産後にはベビー用品が必要となるため、検査費用以外にも予算として確保しておいたほうが良いでしょう。マタニティ用品は3万円程度、ベビー用品は10万円程度あると安心です。


マタニティ用品としては、マタニティウェアや締め付けない下着、骨盤ベルトなどが挙げられます。ベビー用品は、赤ちゃんの洋服やおむつ、ベビーベッド、哺乳瓶やミルク、抱っこ紐やベビーバスなど、必要なものは多岐にわたります。

まとめ

妊娠初期から出産までの間、母体の健康や赤ちゃんの発育を確認するために定期的に検査を受ける必要があります。検査費用だけでなく、分娩や出産後にも費用がかかるため、必要な予算を把握して用意しておくと良いでしょう。


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「はぐコレ」編集部

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