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【産休中の手当】出産手当金とは?出産育児一時金・育児休業給付金との違いや計算方法
2023.02.19お金

【産休中の手当】出産手当金とは?出産育児一時金・育児休業給付金との違いや計算方法

この記事の監修者

CFP認定者、1級FP技能士など

瀬戸家みのり

産休中は、複数の手当金を受け取れる可能性があります。ただし、手当金を受け取るには、それぞれの条件を満たさなければなりません。状況によって受け取れる金額も異なります。この記事では、産休中に受け取れる手当金について知りたい人に向けて詳細を解説します。申請方法や注意点も解説するため、ぜひ役立ててください。

もくじ
  • 産休とは
  • 出産手当金(産休手当)とは
  • 出産手当金(産休手当)を受け取れる条件
  • 出産育児一時金、育児休業給付金との違い
  • そもそも育休とは
  • 出産手当金(産休手当)を受け取るメリット
  • 産休中に支払われる手当の計算方法
  • 産休中の手当を申請する手順
  • 出産手当金の支給対象外になるケース
  • 産休中の手当に関するよくあるQ&A
  • まとめ

産休とは

産休のイメージ

産休とは、出産の前後に会社を休むことです。産休は労働基準法によって定められており、出産する女性は全員が産休を取得できます。産休の時期は、本人の申し出によってある程度調整できます。希望を出せば、出産予定日の6週間前から産休の取得が可能です。


また、産後は、基本的に8週間の休業が義務付けられています。ただし、本人の希望があり、医師が支障がないと認めた場合は、産後6週間から職場復帰することができます。

出産手当金(産休手当)とは

出産手当金(産休手当)とは、産休で会社を休んでいて給料を受け取れない期間に支給される給付金です。勤務先で加入している健康保険から支給されます。


出産手当金(産休手当)を受け取れる期間は、出産予定日までの6週間、出産予定日から実際の出産日まで、出産日の翌日以降から8週間です。産休に入る前の標準報酬月額の約3分の2相当が支給されます。

出産手当金(産休手当)を受け取れる条件

産休に伴って出産手当金(産休手当)を受け取るには、いくつか条件を満たしている必要があります。出産手当金(産休手当)は健康保険から支給されるため、勤務先で健康保険に加入していなければなりません。また、出産の時期が妊娠4か月(85日)以降である必要があります。


さらに、出産のために会社を休んでいることも条件となります。休業中、会社から一切給料が支払われていない場合だけでなく、給料が一定額以下の場合も出産手当金(産休手当)の受給が可能です。なお、出産手当金(産休手当)の条件として、勤続期間の定めは特にありません。

出産育児一時金、育児休業給付金との違い

ここでは、出産手当金(産休手当)と出産育児一時金や育児休業給付金の違いを解説します。

そもそも育休とは

育休のイメージ

育休とは育児休業の略称であり、原則として子どもが1歳になる誕生日の前日まで会社を休める制度です。女性は産休を終えた日の翌日から育休を取得できます。


なお、育休は男性も取得可能です。男性が育休を取得できるのは、出産予定日以降となっています。

出産育児一時金との違い

出産育児一時金とは、出産の際にかかる費用負担を軽減する目的で支給されるお金です。出産手当金(産休手当)とは異なり、出産のために会社を休んだかどうかにかかわらず受け取れます。


健康保険に加入していれば必ず受給でき、専業主婦やフリーランスでも受け取りが可能です。給付額は胎児1人につき50万円(※)が基本となっており、双子なら100万円が支給されます。出産育児一時金の申請先は、妊婦が加入している健康保険や国民健康保険などです。

また、夫の扶養に入っている妻の場合は、夫が加入している健康保険が申請先となります。

(※)2023年4月より、子供一人あたりの支給額が42万円から50万円に引き上げられました。

育児休業給付金との違い

育児休業給付金は、育休を取得した人が一定の条件を満たす場合に支給されるお金です。具体的には、会社から支払われる給料が通常時の80%未満であることなどが条件となっています。育児休業給付金が支給される期間は、産後57日から子どもが1歳になる前日までの期間です。


育休を開始してから180日までは「休業開始時賃金日額×支給日数の67%」、181日以降は「休業開始時賃金日額×支給日数の50%」が育児休業給付金として支払われます。

出産手当金(産休手当)を受け取るメリット

出産手当金(産休手当)には、さまざまなメリットがあります。出産前後は会社を休む必要があり、その期間は給料を受け取れません。収入が減るため、経済的な負担が大きくなります。しかし、出産手当金(産休手当)を受給すると、そのような負担の軽減が可能です。


また、出産手当金(産休手当)を受給している間は、健康保険や厚生年金保険の保険料も免除されます。


なお、出産手当金(産休手当)を受け取れるのは、会社に勤務している女性だけです。自営業やフリーランスとして働いている女性は出産手当金(産休手当)を受け取れず、健康保険料も免除されません。ただし、国民年金保険料については、一定期間免除されます。

産休中に支払われる手当の計算方法

産休中に支払われる出産手当金(産休手当)の金額は、休業1日につき「標準報酬月額÷30日×約3分の2」です。手当の総額は「支給日数×1日当たりの支給金額」で計算できます。それぞれの状況によって支給金額や支給日数は異なる可能性があるため、注意しましょう。


以下では、出産予定日よりも前に出産した場合、出産予定日当日に出産した場合、出産予定日よりも後に出産した場合にわけてそれぞれ解説します。

出産予定日よりも前に出産した場合

出産予定日よりも前に出産した場合は、産前42日間から出勤日数を引いた日数と、産後の56日間を合計した日数に対し、出産手当金(産休手当)が支払われます。そのため、合計で98日から出勤日数を引いた日数分の手当金が受け取れる仕組みです。

出産予定日当日に出産した場合

出産予定日当日に出産した場合は、産前42日間と産後56日間を合計した98日間に対して出産手当金(産休手当)が支払われます。

出産予定日よりも後に出産した場合

出産予定日よりも後に出産した場合は、産前の42日間に予定日から実際の出産日までの日数を足し、さらに産後の56日間を加えた日数に対して出産手当金(産休手当)が支払われます。そのため、合計で98日に予定日から実際の出産日までの日数を差し引いた日数分の手当金が受け取れる仕組みです。

産休中の手当を申請する手順

申請手続きのイメージ

産休中に出産手当金(産休手当)を受け取るためには、まず自分が受給の条件を満たしているか確認しましょう。受給対象である場合は出産手当金(産休手当)の申請用紙を入手し、必要事項をもれなく記入してください。


申請用紙のなかには医師や助産師が記入する箇所もあるため、忘れずに記載してもらう必要があります。申請用紙の記入が済んだら、加入している健康保険に提出します。実際には勤務先の総務や人事などの担当者を介して提出するケースが多いため、あらかじめ確認しておきましょう。


なお、出産手当金(産休手当)は、産後56日が経過してからまとめて申請するだけでなく、複数回にわけて申請する方法もあります。

出産手当金の支給対象外になるケース

出産手当金(産休手当)の対象外になるケースもあります。以下で具体的に解説します。

健康保険の被保険者でない

出産手当金(産休手当)の支給対象になるのは、健康保険の被保険者のみです。健康保険の被保険者の扶養家族には、出産手当金(産休手当)が支給されません。

国民健康保険に加入している

出産手当金(産休手当)を受け取れるのは、勤務先で健康保険に加入している場合となっています。国民健康保険に加入している自営業者やフリーランスは、出産手当金(産休手当)を受け取れません。

産休中に出産手当金よりも多い給与を受け取る

産休中に給与が支払われている場合、給与の金額が出産手当金(産休手当)の日額よりも高ければ、出産手当金(産休手当)は受け取れません。給与が支払われていても、出産手当金(産休手当)の日額以下なら差額を受け取れます。

産休中の手当に関するよくあるQ&A

産休中の手当については、ほかにもさまざまな疑問が寄せられます。ここでは、産休中の手当に関するよくあるQ&Aについて解説します。

有給休暇を使用した場合は?

出産前後に有給休暇を使用して会社を休んだ場合は、出産手当金(産休手当)が支給されないケースが多いです。ただし、出産前後に取得した有給休暇に対して支払われる給料が出産手当金(産休手当)の日額よりも少なければ、差額分のみ支給される可能性があります。


給料と出産手当金(産休手当)の日額をよく確認しましょう。

産休中に仕事を辞めた場合は?

産休中に退職しても、一定の条件を満たしていれば出産手当金(産休手当)の支給対象になる可能性があります。産休中に仕事を辞めても出産手当金(産休手当)が支払われるのは、健康保険に加入していた期間が継続して1年以上あった場合です。


また、退職日までに出産手当金を受けるための条件を満たしている必要があります。


ただし、育児休業給付金は退職すると受け取れないため、産後の退職を検討している場合は注意しましょう。

手当はいつ振り込まれる?

申請してから指定した口座へ実際に手当が振り込まれるまでの期間は、2週間から2か月程度です。ただし、手当の申請は、職場に復帰してから行う人も多いです。ただしこの場合、手当を受け取れるのは産休が始まってから約4~5か月後となります。


休んでいる期間は手当を受け取れないため、産休中に必要なお金は別途用意しておいたほうが安心です。家族とも相談しながら、早めに生活費を確保しておきましょう。

手続きを忘れてしまった場合は?

手当の申請手続きを忘れても、後から申請が可能です。出産手当金(産休手当)の申請期限は、産休取得の翌日から2年以内と定められています。手続きを忘れていたことに気がついたら、まずは期限を確認しましょう。2年以内であれば通常通り申請できるため、早めに手続きしてください。


なお、期限を過ぎると、経過した日数分だけ受け取れる金額が減ります。

帝王切開の場合はどうなる?

基本的に、出産には健康保険が適用されません。しかし、帝王切開は手術として扱われるため、健康保険の対象になります。帝王切開の場合の出産費用は、3割の自己負担が必要です。通常の出産とは異なる検査費用もかかりますが、出産育児一時金や高額療養制度なども活用できます。

まとめ

産休中は給料をもらえませんが、出産手当金(産休手当)の受け取りが可能です。ただし、受給するには条件を満たしている必要があり、期限内に申請しなければいけません。ほかの手当金との違いも把握したうえで、うまく制度を活用しましょう。


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この記事の監修者

CFP認定者、1級FP技能士など

瀬戸家みのり

2003年特定の金融機関に所属しない「独立系FP」として開業。「おもしろい・わかりやすい・すぐ使える」をモットーにしているセミナーは、保険会社や労働組合を中心に通算1500回超。全国47都道府県を制覇し現在3周目。ガンダムまみれの夫と「図書館に住むのが夢」という本が大好きな小学生の娘の3人家族。

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