妊娠初期のおりものの特徴とは?普段との違いと注意すべき症状について解説
妊娠初期特有の症状を気にしている人は多いです。おりものに変化があり「妊娠したのでは?」と不安になっている方も多いのではないでしょうか。本記事では、妊娠初期ならではのおりものの状態や、そのほかの変化や注意すべき症状を紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
- 妊娠においておりものが持つ役割とは?
- 生理周期や年代によっておりものの状態は変化する?
- 妊娠初期のおりものの特徴
- 妊娠初期のおりものの症状には個人差がある?
- 妊娠初期に起きるおりもの以外の変化について
- 妊娠初期のおりものの状態によっては早期受診が必要なことも
- まとめ
妊娠においておりものが持つ役割とは?
妊娠において、おりものが持つ役割とはどのようなものでしょうか。ここでは、おりものの2つの役割についてみていきます。
妊娠を促すための効果がある
1つ目の役割は「妊娠を促す」というものです。おりものには、精子が卵子にたどりつきやすくする潤滑油としての役割があり、精子がスムーズに子宮を通過して卵子まで到達するようになっています。
健康を守るための自浄作用につながる
2つ目の役割は「自浄作用」と呼ばれる役割です。簡単に言えば、雑菌の侵入や増殖を防ぐ効果があります。膣の中にはデーテルライン桿菌(かんきん)と呼ばれる常在菌が存在し、この菌が乳酸を分泌して、膣内を酸性に保っています。酸性は病原菌が繁殖しづらく健康を守ることができるのです。
おりものは分泌した乳酸や粘膜などが、混じったものと言えます。
生理周期や年代によっておりものの状態は変化する?
生理周期や年代によっておりものの状態が変化すると言われていますが、どのように変化するのでしょうか。変化の内容について詳しくみていきます。
おりものは生理周期に合わせて変化する
おりものは女性ホルモンに合わせて、常に変化しています。卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)の2種類からなる女性ホルモンは生理周期によって分泌量が異なるため、おりものの量にも変化があるのです。
生理周期別に見た一般的なおりものの量や状態は、次のようになっています。
・生理直後:量が少なめで、サラッとしている。
・卵胞期後半〜排卵期:透明で糸を引くようなおりもの。においはきつくなく、2〜3日程度量が多い状態が続く。
・黄体期:白く濁った状態で、卵胞期後半より量が減る。下着に付着すると黄色っぽく見えることもある。
・生理前:少し量が増える。白く濁り、においが強くなってくる。
年代によってもおりものは変化する
年代によってもおりものの量や状態は変化します。一般的には以下のように変化します。
・初潮〜10代:女性ホルモンの分泌が不安定なため、量やにおいなどは安定しない。
・20~30代:女性ホルモンの分泌量がピークの時期。おりものの分泌周期が安定し、量も増える。
・40代:女性ホルモンが減っていく。同様におりものの量も減る。
・閉経後:閉経によっておりものの量は激減していく。閉経後2〜3年で分泌は0に近くなる。
妊娠初期のおりものの特徴
妊娠初期のおりものには、妊娠していない時と比較して、量や状態の違いが見られます。ここでは、妊娠初期のおりものの特徴について見ていきます。
おりものの量が増える
妊娠初期には、普段よりもおりものの量が増えたと感じる方が多いです。これは女性ホルモンの分泌が続くことによるもので、生理直後よりおりものの量が多くなることもあります。
おりものから粘り気がなくなる
普段より粘り気がなく、サラサラとした状態になることも、妊娠初期のおりものの特徴です。卵白のような水っぽいおりものが出ることもあります。
おりものの色が変化する
妊娠初期には、おりものの色が変化することもあります。色味は黄色、クリーム色、白く濁るなどの状態になることが一般的です。
ただし、妊娠初期には黄・黄緑などの色に変化することもあります。その際は生理周期によるものではなく感染症などの可能性があるので、医療機関で診察を受けることがおすすめです。
おりものが出血によって染まることも
妊娠初期にはおりものがピンク色や茶色になることがあります。これは着床出血によっておりものに血が混じったことが原因です。
基本的には2〜3日で収まりますが、長期間続く場合やおりものが大量に出る場合には注意が必要です。
おりもののにおいがきつくなることも
妊娠時のおりものは、酸っぱいにおいやアンモニア臭などがすることもあります。においが気になって洗いすぎると、常在菌のバランスが崩れて腟炎などの原因になるので注意が必要です。
妊娠初期のおりものの症状には個人差がある?
妊娠初期には上記のような症状が一般的です。ただしあくまで個人差があるため、症状が出たからといって一概に言えません。
また、妊娠初期でも症状が表れない人がいるため「こんなおりものがでたから妊娠している」とは断定できません。
妊娠初期に起きるおりもの以外の変化について
妊娠初期にはおりもの以外の変化も生じるのが一般的です。ここでは、妊娠初期に起こるおりもの以外の症状についてみていきましょう。
妊娠初期に起きるおりもの以外の変化① 胸やお腹が張る
妊娠初期には胸やお腹に張りを感じることがあります。また、乳房が大きくなったり乳首が大きく黒ずんだりなど目に見える症状が現れることもあります。
妊娠初期に起きるおりもの以外の変化② 眠くなりやすくなる
妊娠初期には強い眠気に襲われることもあります。これは女性ホルモンであるプロゲステロン(黄体ホルモン)の働きによるものです。プロゲステロンは妊娠を維持するために働いたり、母乳の準備をしたりするホルモンで、母の体を休ませようとしています。そのため、強い眠気に襲われるのです。
ただし、万が一妊娠していた場合には胎児に悪影響を与えてしまうため、眠気覚ましのカフェインは避けることが大切です。
妊娠初期に起きるおりもの以外の変化③ 腹痛や下腹部痛
妊娠初期にはお腹や下腹部に痛みを感じたり、違和感を覚えたりすることもあります。また、生理のような痛みを感じることや、おならが増えることもあります。
妊娠初期に起きるおりもの以外の変化④ 下痢や便秘になる
妊娠初期には下痢や便秘に悩まされることもあります。これは胃の収縮を抑えるプロゲステロンにより消化器系の活動が弱まってしまうためです。また、頻尿になるケースも見られます。
妊娠初期に起きるおりもの以外の変化⑤ 体がむくみやすくなる
足や体のむくみが増えることも妊娠初期の症状です。妊娠した状態を安定させるためにプロゲステロンの働きによって水分をため込んでいることによるものです。
妊娠初期に起きるおりもの以外の変化⑥ 食欲が変化する
食欲が減る、もしくは増す症状も妊娠初期によく見られます。特定の食品が食べられなかったり、逆に無性に食べたくなったりすることもあります。
妊娠初期に起きるおりもの以外の変化⑦ めまいがする
妊娠初期にはめまいが起きやすくなることもあります。これはホルモンバランスの変化により、自律神経が乱れていることが原因です。症状が見られた場合はゆっくり起き上がるように意識することや、長時間立つのを避けることが大切です。
妊娠初期に起きるおりもの以外の変化⑧ 吐き気がする
妊娠初期には消化器系の働きが弱まって吐き気がすることもあります。胃もたれやゲップなどの症状も起きることもあり、少し気持ち悪いと感じるケースもあるでしょう。そのような状態でも薬の内服は避け、グレープフルーツなどの酸性のものを食べるのが良いと言われています。
妊娠初期に起きるおりもの以外の変化⑨ 不安感に苛まれることも
不安になったりイライラしたりするケースも妊娠初期には多いです。そのため、普段は感情的でない人でも感情的になりやすいこともあります。ゆっくりと休息を取るなどできるだけリラックスするように心がけることが大切です。
妊娠初期のおりものの状態によっては早期受診が必要なことも
妊娠初期のおりものの状態によっては素早く受診しなければならないケースもあります。ここでは、受診すべき状態についてみていきます。
おりものに悪臭や外陰部にかゆみがある
悪臭が気になる場合には、細菌性膣症や淋菌感染症の疑いがあります。このような状態の場合、胎児に悪影響を与えてしまうこともあるので、注意が必要です。
また、かゆみや痛みなどが発生している場合にも注意しましょう。
おりものに大量の出血がある
おりものに大量の出血がある場合には、注意が必要です。上記でお伝えしたように着床出血の可能性もありますが、あまりにも出血が多い場合には不正出血、性交時出血によるトラブルのおそれもあるため、早期受診をおすすめします。
本記事では、妊娠初期ならではのおりものの状態や、そのほかの変化や注意すべき症状を紹介してきました。妊娠初期症状が発生したらまずは妊娠を疑い、早期受診することが大切です。また、妊娠していなくても「いつもと違う」と感じたら素早く医療機関へ行きましょう。早期受診が自分と赤ちゃんの身を守ることにつながります。
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