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妊娠初期・中期・後期の血液検査の目的とは|検査結果はいつわかる?
2023.02.14妊娠・出産

妊娠初期・中期・後期の血液検査の目的とは|検査結果はいつわかる?

この記事の監修者

産婦人科医専門医・医学博士

宋 美玄

血液検査は、妊娠初期から実施されます。初めて妊娠した場合、血液検査の目的や内容が気になる方もいるでしょう。この記事では、妊娠初期の血液検査について詳しく知りたい人に向けて、血液検査の概要を解説します。出産までに実施される血液検査の内容や健診の流れもあわせて解説するため、ぜひ参考にしてください。

もくじ
  • 妊娠初期から血液検査が実施される目的|検査結果が分かるタイミング
  • 妊娠初期からの血液検査にかかる費用の目安
  • 6週前後の妊娠初期の血液検査・健診の内容とは
  • 12週前後の妊娠初期の健診の内容とは
  • 27週前後の妊娠中期の血液検査・健診の内容とは
  • 35週前後の妊娠後期の血液検査・健診の内容とは
  • 37週以降のNST検査とは
  • まとめ

妊娠初期から血液検査が実施される目的|検査結果が分かるタイミング

妊娠初期に実施される血液検査は、妊娠の経過観察を目的としています。また、母子に異常がないか確認し、問題が発生しないよう予防するために実施しています。万が一問題が見つかった場合も、血液検査を実施すると早期発見が可能です。

妊娠初期に実施する血液検査では、母体の状態について数値で把握できます。赤ちゃんの体質や病気についてわかる場合もあります。

血液を採取した後に検査が実施されるため、結果がわかるのは次の健診時です。検査結果について医師から説明してもらえます。何か不安なことがある場合は、検査結果を聞く際にあわせて確認しましょう。

妊娠初期からの血液検査にかかる費用の目安

妊娠すると、複数回にわたって血液検査が実施されます。具体的には、初期、中期、後期にそれぞれ血液検査が実施され、母子の状態を細かくチェックします。血液検査にかかる費用は時期によって違うため、注意が必要です。

健診と血液検査の費用を合計すると、1万円を超える可能性が高いでしょう。ただし、各自治体で補助券が配布されており、割引を受けられます。自己負担額も発生しますが、それほど高額にはならないケースがほとんどです。実際にかかる費用は健診や血液検査を受ける医療機関によっても異なるため、気になる場合は事前に確認しましょう。

6週前後の妊娠初期の血液検査・健診の内容とは

6週前後の妊娠初期には、どのような血液検査や健診が行われるのでしょうか。以下で詳しく解説します。

血糖

血糖の検査は、妊娠糖尿病を発症していないか調べるために行います。また、妊娠期間の生活習慣を見直すきっかけにもなります。

末梢血液

血液中の赤血球、ヘモグロビン、白血球、血小板の数や量について検査します。妊娠中に発生しやすい貧血についてもチェックできます。

血液型

血液型がA、B、O、AB型のどれに該当するか調べる検査です。Rhが+と-のどちらであるかについても調べて、血液不適合について確認します。

不規則抗体

赤ちゃんの血液を攻撃する抗体の検査のことで、不規則抗体があると、他人の血液を輸血する際、赤ちゃんの血液と反応して血球を壊すことが起こり、場合によっては胎児貧血になる可能性があります。

WaR

WaRは、梅毒にかかっているか調べる検査です。早期発見できれば、赤ちゃんへの感染を防止できます。

HBs抗原

B型肝炎の発症について検査します。B型肝炎は母子感染のリスクがあるため、検査をしたうえで予防することが大切です。

HTLV-1抗体

HTLV-1抗体検査は、成人T細胞白血病ウイルスへの感染の有無を調べるための検査です。授乳により赤ちゃんも感染する可能性がありますが、事前に検査しておけば母子感染を予防できます。

風疹抗体

妊娠中に風疹に感染すると、赤ちゃんにも悪影響が及ぶ恐れがあります。具体的には、赤ちゃんに先天性風疹症候群が生じるリスクがあるため、注意が必要です。

トキソプラズマ

トキソプラズマは、猫の糞や豚の生肉などを介して感染する病気です。ただし、すべての猫や豚などがトキソプラズマを持っているわけではありません。母親を介して赤ちゃんが感染した場合、先天性トキソプラズマ症候群にかかってしまいます。

HCV抗体

HCV抗体検査は、C型肝炎の検査です。陽性の場合、過去にC型肝炎に感染していたということです。ウイルス量が多いと母子感染のリスクがあります。

サイトメガロ

サイトメガロウイルスに妊娠中に初めて感染すると、母子感染し、先天性サイトメガロウイルス感染症を起こす可能性があるため、抗体を持っていない場合は感染に注意しましょう。

HIV

HIVはエイズを引き起こすウイルスです。早期発見できれば、母子感染を防止できます。

子宮頸がん検査

子宮頸がんに感染しているかどうかを検査します。採血ではなく、子宮頚部を綿棒でこすって採取した組織をもとに検査します。

12週前後の妊娠初期の健診の内容とは

12週前後の妊娠初期の健診でも、さまざまなことを調べます。以下で具体的に解説します。

分泌物培養

膣内の細菌の有無を検査します。主に、新生児感染を引き起こすリスクがあるGBS菌の有無を調べるのが目的です。

クラミジア

クラミジアは、感染しても7割程度は症状を自覚しません。しかし、母子感染のリスクがあるため、検査による早期発見が必要です。陽性の場合、抗生物質の投与により父母の両方が治療を受ける必要があります。

カンジダ培養

カンジダは、羊水感染や分娩産道感染などで赤ちゃんに感染する恐れがあります。皮膚カンジダや鵞口瘡になるリスクがあるため、早期発見が重要です。

トリコモナス培養

妊娠中にトリコモナス腟炎になった場合、早産や流産の危険性があります。検査で陽性だった場合は、早期治療が必要です。

27週前後の妊娠中期の血液検査・健診の内容とは

7週前後の妊娠中期にも、血液検査や健診が行われます。具体的な内容について解説します。

妊娠初期までにチェックする項目

妊娠初期の血液検査・健診で確認された、血糖、末梢血液、クラミジア培養、分泌物培養、トリコモナス培養などの検査は、妊娠中期でも改めて実施されます。

AST・ALT

妊娠中期になると、肝臓の動きを調べる検査を実施します。ASTとALTは肝臓の機能を調べるための代表的な検査項目です。肝臓に何らかのダメージが加わって細胞が破壊されると、血液中にこのASTとALTが大量に放出されるため、血中濃度が上昇します。このことから、ASTとALT濃度が上昇しているときは肝臓にダメージが生じ、働きが悪くなっていることが分かるのです。

T-ch

T-chは、総コレステロール値の検査です。妊娠中は脂質が通常より高くなる傾向があるため、状態を確認するために検査を実施します。

TP

TPは、血液のたんぱく質を調べます。妊婦の栄養状態を検査します。

細菌培養検査

膣内のおりものを綿棒で採取し、培養検査によってどのような細菌がいるか調べます。細菌培養検査が必要なのは、産道に潜む細菌が早産の原因になる場合があるためです。

35週前後の妊娠後期の血液検査・健診の内容とは

35週前後の妊娠後期にも、さまざまなチェックが行われます。以下で具体的に解説します。

妊娠初期・妊娠中期までにチェックする項目

妊娠初期や中期で行われた、血糖、末梢血液、カンジダ培養、分泌物培養、細菌培養検査、トリコモナス培養などの検査は、妊娠後期においても再び実施されます。

AT-Ⅲ

AT-Ⅲは、血液中に存在するたんぱく質の一種です。血の凝固を抑える作用があり、母体の状態を調べるために検査します。

止血検査

止血検査では、APTTとPTの検査を実施します。APTTとは活性化部分トロンボプラスチン時間、PTとはプロトロンビン時間のことです。血液の凝固時間の長さを調べ、血管内の凝固因子の異常を判断します。

37週以降のNST検査とは

妊娠37週以降になると、NST検査(ノン・ストレス・テスト)が行われます。赤ちゃんの状態をチェックするため、赤ちゃんの心拍数やお腹のはりを確認します。おなかに器具をつけるだけで実施でき、痛みは特にありません。ただし、赤ちゃんが起きているときに実施する必要があるため、検査時に赤ちゃんが寝ている場合は時間がかかる可能性があります。

NST検査にかかる費用の目安は、1,000~2,000円程度です。

まとめ

妊娠すると、初期から後期にかけてさまざまな検査が実施されます。いずれも母子にとって重要な検査であるため、医師の指示に従ってきちんと受けることが大切です。費用もかかりますが、補助を受けられるため負担はそれほど大きくありません。

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この記事の監修者

産婦人科医専門医・医学博士

宋 美玄

周産期医療、女性医療に従事する傍ら、テレビ、インターネット、雑誌、書籍で情報発信を行う。産婦人科医の視点から社会問題の解決、ヘルスリテラシーの向上を目的とし活動中

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