妊娠初期のストレスと赤ちゃんへの影響|原因や解消方法・リスクについても知っておこう
妊娠すると、さまざまな理由からストレスを感じやすくなります。特に体調やメンタルが不安定な妊娠初期は、意識してストレスを避けるようにしましょう。この記事では、妊娠初期の妊婦に向けて、妊娠初期のストレスが赤ちゃんに影響するのかどうか、また、ストレスの原因や解消方法、ストレスによるリスクなどを紹介します。順調なマタニティライフのために、ストレスとの向き合い方を考えましょう。
- 妊娠初期のストレスを避けた方が良い理由
- 妊娠初期にストレスを感じる原因5つ
- 妊娠初期のストレスを和らげる方法
- 妊娠初期のストレスが赤ちゃんにもたらす影響
- まとめ
妊娠初期のストレスを避けた方が良い理由
ストレスにより分泌されるホルモンは、体調や気分に影響する可能性があります。人はストレスを感じると、副腎からストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールやアドレナリンを分泌します。
コルチゾールは、ストレスから身を守るためのホルモンです。一時的にはストレスを緩和するコルチゾールですが、分泌過多な状態が続くと、脳や免疫機能などに影響をもたらすおそれがあります。
また、アドレナリンとは、体や気持ちを高揚させる物質です。脳や手足などを機能させストレスから体を守るために、アドレナリンは体の各部位に目一杯の血液を送ります。
お腹のなかの赤ちゃんに対して、ストレスに由来するネガティブな気持ちが伝搬するわけではありません。しかし、コルチゾールやアドレナリン自体は、赤ちゃんに移行する可能性があると理解しておきましょう。
妊娠初期にストレスを感じる原因5つ
妊娠初期には、体や生活の変化からストレスを感じやすくなります。妊娠初期にストレスを感じる原因を5つ紹介します。ストレスの原因を知り、悩まされないように努めましょう。
1.つわりによるもの
妊娠初期には、つわりが始まる人も少なくありません。つわりの内容や程度、期間は個人差が大きいものです。動けないほどのつわりに襲われる人もいれば、ほとんど影響を感じないという人もいます。
つわりの症状には、イライラ、眠気や頭痛、吐き気などが挙げられます。妊娠初期にストレスを感じたら、つわりを疑いましょう。
2.ホルモンバランスによるもの
妊娠をきっかけにホルモンバランスが大きく変わり、ストレスを感じやすくなってしまうケースもあります。妊娠初期に大量に分泌されるホルモンは、hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)やプロゲステロン、エストロゲンです。hCGにはつわりの症状を重くする作用があり、エストロゲンやプロゲステロンは、頭痛や精神的な不安を引き起こしがちです。
妊娠中は生理時と似たようなホルモンバランスであるため、PMS(月経前症候群)と似た不快な症状も懸念されます。また、PMSに似た症状も、ストレスの原因になる可能性があります。
3.体調によるもの
お腹のなかの赤ちゃんが成長するにつれて、腰痛やお腹が張るなどの症状が発生します。抜け毛が気になったり、医師から食事制限や行動制限を言い渡されたりする人もいます。体調が万全でない状態が続けば、ストレスを感じてもおかしくありません。
本当は休みたくても、無理をして仕事や家事をすると普段よりも疲れがたまります。また、体が万全ではない状態で働いて周囲に迷惑をかけていないだろうか、家族に不便を強いていないだろうか、という心配もストレスにつながります。
4.精神的な不安によるもの
妊娠や出産、家族の生活や自身の仕事、夫婦のコミュニケーションなど、妊娠初期はさまざまなことに悩みがちです。
しかも、妊娠初期ではお腹もまだ小さいため、パートナーからすると、つわりや体調不良について理解が及びにくいものです。パートナーに自身の悩みを理解してもらえなければ、妊婦はもやもやした気持ちを抱え続けてしまいます。このように精神的に不安定な状態では、ささいな出来事にストレスを感じやすくなります。
5.上の子の育児によるもの
経産婦の場合、上の子が妊娠を機に赤ちゃん返りをしてしまう場合があります。赤ちゃん返りとは、これまでできていた着替えや食事などを、子どもが急に拒否するようになる現象です。赤ちゃん返りにより、甘えたがりになる子どももいます。かわいい子どもとはいえ、終始対応に追われると、ストレスを感じてもおかしくありません。
また、つわりや腰痛などで体調面や精神面が安定しないなかで、満足する育児をすることは大変です。上の子に我慢をさせてはいないか?という気持ちもストレスにつながることがあります。
妊娠初期のストレスを和らげる方法
妊娠中には体調や気持ちが不安定であるため、ストレスがたまりやすくなっています。ストレスから深刻な病気に発展するケースもあるため、ストレスの解消に努めましょう。妊娠初期にストレスを和らげる方法を紹介します。
医師に相談する
重いつわりなど、体の不調によりストレスを感じている場合は、かかりつけの医師や助産師に相談してみましょう。重度のつわりや体調不良であれば、薬の処方や入院などで緩和できる可能性があります。
また、症状が軽い場合も、積極的に医師や助産師に話しを聞いてもらいましょう。悩みを相談できたというだけでも、気持ちが楽になりストレスが緩和する可能性があります。「つわりで食事を取れなくても、赤ちゃんの成長にはそれほど影響しない」など、安心できる情報が得られるかもしれません。
ストレスを受け入れる
「ストレスを緩和しないと、赤ちゃんが弱ってしまう」などと、赤ちゃんへの影響を過剰に心配する人も少なくありません。しかし、過剰な心配は不要です。赤ちゃんの生命力を信じて、成長をゆっくり見守りましょう。
妊娠中には、多かれ少なかれ誰しもが不調に悩まされるものです。また、妊娠を機に、仕事の内容や働く時間を変える人もいれば、医師から安静を言い渡される人もいます。体調が悪いうえに周囲の環境まで変わってしまえば、ストレスを感じてもおかしくありません。ストレスは妊娠につきものだと割り切ると、気持ちが楽になるでしょう。
適度な運動や日光浴をする
しあわせホルモンと呼ばれるセロトニンを分泌させると、ストレスが和らぎます。セロトニンには、精神的な不安やストレスを抑えてくれる働きがあります。セロトニンは太陽光を浴びると発生するため、適度な運動や日光浴を心がけましょう。特に、朝日を浴びるとセロトニンの分泌が活発化します。
また、簡単なストレッチやウォーキングであれば、妊娠初期でも負担がかかりません。気分転換をかねて簡単な運動を取り入れましょう。
ストレスを吐き出す時間を作る
カラオケなどで大きな声を出す、映画を見て思い切り泣くなど、感情をあらわにするとストレスを発散できます。たとえ短時間でも、ストレスを発散すると気持ちが落ち着きます。
人により、ストレスの発散方法はさまざまです。買い物をしたり、友達や家族としゃべったり、ストレスを発散させる方法を探ってみましょう。また、アクティブな行動をしなくても、一人で読書をする、お風呂にゆっくりつかるなどの方法でも、ストレスの解消につながります。
パートナーや上の子とスキンシップをする
オキシトシンというホルモンも、ストレスを緩和させます。オキシトシンは、人や動物とふれあう、人に親切にするなどの行動で分泌されます。パートナーや上の子とふれあう、ハグするなどのスキンシップなどを通じて、オキシトシンの分泌を促しましょう。
また、家族とのふれあいは、上の子の情操教育にとって良い影響をもたらします。パートナーにとっても妻とのふれあいは大切です。妊娠中には、家族とのかかわり方が原因でストレスを抱える人もいます。スキンシップを通じて、家族の親密さを深めましょう。
妊娠初期のストレスが赤ちゃんにもたらす影響
妊娠初期のストレスは、赤ちゃんに影響をもたらす場合もあります。すべてのストレスが赤ちゃんにダメージを与えるわけではありません。しかし、慢性的なストレスは、赤ちゃんにとって危険です。妊娠初期のストレスが、赤ちゃんにもたらす影響を解説します。
赤ちゃんの発育を妨げる
ストレスホルモンであるアドレナリンが分泌されると、筋肉が硬直して血流が悪くなってしまいます。また、ストレスから体を守ろうと優先的に脳や心臓に血液が送られると、赤ちゃんにまで十分な血液が行き届きません。そのため、赤ちゃんの成長が妨げられてしまいます。
また、コルチゾールは、赤ちゃんの精神系の発達に影響を与え、うつやADHDなどの原因になるといわれています。妊娠中期や後期ならば、発達した胎盤によりコルチゾールが赤ちゃんへの伝搬を防ぎます。しかし、妊娠初期では胎盤が未熟であるため、望ましくない物質まで赤ちゃんに届きかねません。
早産・流産などのリスクを上昇させる
早産の理由の一つには、「胎児機能不全」という赤ちゃんの元気がなくなる症状が挙げられます。また、妊娠初期の流産は染色体異常で発生しますが、妊娠中・後期の流産はストレスが原因で発生する場合があります。
上述したように、ストレスを感じると赤ちゃんの発育に影響する可能性があります。発育不良は早産や流産を起こす確率を引き上げるため、リラックスして過ごすよう心がけましょう。
子宮を収縮させてしまう
ストレスを感じると体は防御態勢に入り、無意識に下腹部に力が入ってしまいます。子宮は筋肉でできているため何かの調子でお腹が張ると、子宮の筋肉もギュッと縮みます。
ストレスにより子宮を収縮させてしまうと、血管が圧迫されて胎盤を通じて赤ちゃんに行き渡る血液が少なくなってしまいます。慢性的に子宮の収縮が続くようでは、赤ちゃんにとって居心地の良い環境とはいえません。ストレスの緩和に加え、日常的なお腹の張りにも気をつけましょう。
妊娠初期は、ストレスを感じやすいものです。ストレスは自然なものと割り切り、考え込まずに過ごしましょう。ストレスを和らげるためには、適度に運動をする、ストレスを発散させる機会をつくる、家族とふれあうなどの方法があります。また、赤ちゃんを守るためには、保険加入を検討してみるのもおすすめです。
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