出産育児一時金の申請はいつから可能?申請の流れや期間について解説
出産育児一時金で出産費用をカバーしたいと考える方は少なくありません。しかし、出産育児一時金をいつ申請すれば良いのか、いつまで申請可能なのか、また、どこで申請すれば良いのか分からない方も多いのではないでしょうか。本記事では、出産育児一時金の概要と申請におけるポイントを解説します。ぜひ参考にしてみてください。
- 出産育児一時金とは
- 出産育児一時金の申請を行う条件とは
- 出産育児一時金はいつから申請可能なのか
- 出産育児一時金は申請後いつ受け取れるのか
- 出産育児一時金の申請手順
- 出産育児一時金の「事後申請」の手順
- 受給資格を喪失した場合はいつまで出産育児一時金を申請できるのか
- まとめ
出産育児一時金とは
まずは、出産育児一時金の概要についてみていきます。
申請することで出産費用の自己負担額を軽減できる
出産育児一時金とは、子ども1人につき50万円(※)支給される制度のことです。
分娩・出産は疾病ではないため、通常自己資金で費用を支払うこととなり保険の対象外となります。しかし、出産育児一時金を利用することで出産費用の全額、もしくは一部の負担を軽減できるのです。
条件を満たせば利用できるため、出産の際には確認しておいた方が良い制度と言えるでしょう。ただし、産科医療補償制度の対象外となる出産の場合は48.8万円の支給となります。(令和3年12月31日までの出産の場合は40.4万円)
(※)2023年4月より、子供一人あたりの支給額が42万円から50万円に引き上げられました。
出産育児一時金には「直接支払制度」と「受取代理制度」がある
出産育児一時金には「直接支払制度」と「受取代理制度」があります。
直接支払制度は、出産育児一時金を健康保険から出産した医療機関に対して直接支払う制度のことです。医療機関に対して直接支払制度を申し込むことで、手続きが行えます。
出産時に必要な費用を医療機関が肩代わりしてくれるような感覚で利用できるので、出産時に、まとまった資金の準備が不要となるため負担が少ない制度となっています。多くの医療機関ではこの制度を設けています。
一方、受取代理制度は、医療機関に申請を委託することで受給できる制度です。多くの場合直接支払制度を設けていますが、小規模の病院などの場合には受取代理制度のみの利用となるケースもあります。
こちらの制度でも出産時の費用負担を減らすことができるため、同じ感覚で利用できますが、支給を受けるには出産予定日まで2カ月以内であることが条件となるため、直接支払制度よりも支給を受けるハードルが若干高くなります。
出産育児一時金の申請を行う条件とは
出産育児一時金の申請を行う際には条件を満たす必要があります。ここでは条件を詳しく解説します。
出産する本人が健康保険へ加入している
出産育児一時金の対象要件の前提となるのが、健康保険や国民健康保険に加入していることです。また、健康保険加入者の配偶者や扶養家族でも対象となります。
産休を取得した際に利用できる「出産手当金」は、出産する方が会社員の場合のみですが、出産育児一時金の場合にはそれらの制限は設けられていません。
妊娠期間がいつまであれば申請できる?
妊娠4カ月(85日)以上の出産の場合、申請可能となります。また、流産、死産、中絶でも4ヶ月(85日)以上経っていれば申請は可能です。
出産育児一時金はいつから申請可能なのか
出産育児一時金は出産後いつまで申請可能なのでしょうか。ここでは出産育児一時金の申請タイミングについて紹介します。
出産の翌日から2年以内に申請が必要
出産育児一時金の申請は出産翌日から2年と期限が設けられています。そのため、この期限内に申請しなければ支給されません。出産育児一時金の利用を検討している場合には、事前に書類の書き方などを確認し、スムーズに申請できるようにしておくことが大切です。
受取代理制度の場合にはいつから申請が必要か変わる
受取代理制度を利用する場合は申請期間が異なります。この場合、出産予定日の2カ月前に自分で申請する必要があります。
出産前にはさまざまな要因によって申請するのが難しくなってしまうこともあります。そのため、事前準備を進めておく必要があるでしょう。
出産育児一時金は申請後いつ受け取れるのか
出産育児一時金は申請後、どのタイミングで受け取れるのでしょうか。ここでは、受け取れるタイミングについて紹介します。
申請後1~2か月程度で支給される
健康保険組合に申請した場合、申請から1〜2カ月程度で金融機関へ振り込みがあります。仮に、2カ月以上経っても支給されない場合は確認することが大切です。
もし、経済的な事情があるなら、早めに申請を行うことがおすすめです。
直接支払制度の場合は「いつ受け取れる?」という心配が不要
直接支払制度を利用すれば、支払機関が医療機関に直接支払いをしてくれるため、いつ振り込まれるかを心配する必要はありません。そういった不安を感じるのであれば直接支払制度を利用するのも1つの方法です。
また、出産費用と出産育児一時金に差額があった場合は、別途申請することで差額分を受け取ることが可能です。
出産育児一時金の差額はいつ受け取れる?
出産費用が50万円に満たなかった場合、申請することで差額が受け取れます。申請後1~2カ月程度で受け取れるケースが一般的です。
ただし「出産育児一時金等支給決定通知書」が必要な場合には、手元に届くまで約3ヵ月程度かかることは把握しておきましょう。
出産育児一時金の申請手順
出産育児一時金はどのように申請すれば良いのでしょうか。ここでは、申請の手順についてみていきます。
出産育児一時金の「直接支払制度」を申請する流れ
直接支払制度を申請する流れは次のとおりです。
1.医療機関に保険証を提示する
2直接支払制度の利用に関する合意書にサイン、申し込む
3.出産後、被保険者に明細書が交付される
4.医療機関が支払機関に金額を請求する
5.支払機関が健康保険組合に金額を請求する
6.健康保険組合が支払機関に支払う
7.支払機関が医療機関に支払う
このように、自己負担の金額が抑えられる点でメリットとなっています。
出産育児一時金の「受取代理制度」を申請する流れ
受取代理制度の場合、以下の手順で申請を行います。
1.申請書に必要事項を記入する
2.健康保険組合に提出する
3.健康保険組合が医療機関に申請受付通知書を送付する
4.出産後、医療機関が健康保険組合に出産費用などの書類を送付する
4.健康保険組合が医療機関に支払う
本人が出産に必要な資金を支払う必要がなく、安心して出産に臨めることは同じですが、出産予定日の2カ月前に申請が必要となります。
出産育児一時金の「事後申請」の手順
出産育児一時金は直接支払制度・受取代理制度を利用しないことも可能です。ここでは、事後申請の方法について紹介します。
出産育児一時金の事後申請とは?いつまでに申請すべきか
事後申請を利用すれば、出産時に自費で支払う必要はありますが、クレジットカードのポイントを受け取れるなどのメリットはあります。
事後申請は出産の費用を自費で支払ってから後ほど請求する方法です。産後申請とも呼び、資金に余裕がある場合にはこちらの方がお得になるケースもあります。
この場合、出産の翌日から2年以内に申請が必要となります。
出産育児一時金の事後申請の手順といつ振り込まれるかについて
出産育児一時金の事後申請は次の手順で行います。
1.支払制度に関する書類の「直接支払制度・受取代理制度は利用しない」にチェックを入れる
2.医療機関に提出する
3.医療機関に出産費用を全額自費で支払う
4.出産後、申請用紙・合意書・分娩費用の明細書をそろえ、健康保険組合や市町村に提出する
申請後は2週間〜2カ月程度で指定の口座に振り込まれます。
受給資格を喪失した場合はいつまで出産育児一時金を申請できるのか
出産育児一時金の資格を喪失した場合でも申請が可能となるケースもあります。ここでは、申請の方法などを紹介します。
受給資格を喪失してもいつまでなら申請できるのか
出産育児一時金の資格を喪失した場合(退職など)でも翌日から6ヵ月までの出産であれば申請が可能です。
被保険者期間がいつまであれば申請できる?
資格喪失日の前日(退職日)までに継続して1年以上の被保険者期間が必要です。また、任意継続被保険者期間は除くため、通常、出産までに1年間継続して在籍していることが求められるでしょう。
本記事では、出産育児一時金の概要と申請におけるポイントを解説してきました。出産育児一時金は直接支払制度・受取代理制度を利用することが可能で、こちらを利用すれば出産時の費用負担が少なくなるため、受給者にもメリットが大きいでしょう。
また、事後申請も可能で、クレジットカードのポイントがつくなどのメリットがあります。経済状況や申請のしやすさなどを確認し、利用しやすい申請方法を行うことが大切です。
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