妊娠中期は流産に気づかないケースもある?流産の原因やサインとともに解説
妊娠中期は安定期と呼ばれていますが、流産のリスクはゼロではありません。この記事では、妊娠中期の流産を心配している人に向けて、妊娠中期に発生する流産の特徴や原因について解説します。流産のサイン、対策、流産に気づかないケースについても解説するため、ぜひ参考にしてください。
- 妊娠中期に起こる流産の特徴
- 妊娠中期に流産になる原因
- 妊娠中期の流産のサイン
- 妊娠中期の流産に気づかない場合はある?
- 妊娠中期に流産した後の経過
- 妊娠中期の流産を防ぐために出来ること
- 妊娠中期におすすめの過ごし方
- 妊娠中期の生活上の注意点
- まとめ
妊娠中期に起こる流産の特徴
妊娠中期に起こる流産にはどのような特徴があるのでしょうか。以下で具体的に解説します。
流産が起こる時期
流産とは、何らかの原因により妊娠が中断された状態です。子宮内で赤ちゃんが成長できなくなります。妊娠12週未満に起こる流産は早期流産、妊娠12~22週未満に起こる流産は後期流産と呼ばれています。それ以降に発生する後期流産は死産として扱われるため、役所へ死産届の提出が必要です。
安定期の流産の種類
安定期の流産の種類は、稽留流産と進行流産に大別できます。稽留流産は胎児が死亡して子宮内にとどまっているものの、母親は症状を自覚していません。
一方、進行流産は出血が伴い、子宮のなかにあるものが体の外に排出されます。進行流産は、さらに完全流産と不全流産にわけられます。完全流産は胎児や子宮の内容物が完全に排出されるのに対し、不全流産は子宮内に内容物の一部が残っています。
安定期に流産する確率
流産する確率は15%程度です。2018年の調査において、医療機関で確認された妊娠で流産した割合は約15%という結果が出ています。このうち約80%は妊娠12週未満の早期流産です。流産の多くは妊娠12週未満に発生しており、妊娠中期以降は流産が比較的起こりにくくなります。
※参考:流産・切迫流産|公益社団法人 日本産科婦人科学会
妊娠中期に流産になる原因
妊娠中期に流産になる原因は複数あります。ここでは、原因について詳しく解説します。
絨毛膜羊膜炎
絨毛膜羊膜炎は、絨毛膜と羊膜に細菌が感染する症状です。炎症が起きて子宮の過度な収縮を引き起こし、流産を招く恐れがあります。妊娠すると免疫力が落ちるため、絨毛膜羊膜炎に限らず感染症にかかりやすくなります。そのため、普段以上に体調管理に注意しましょう。
子宮筋腫
子宮筋腫は、子宮の筋肉の一部に生じる良性の腫瘍です。子宮筋腫がある人が妊娠すると腫瘍に血液が届かなくなり、腫瘍が壊死するケースがあります。その結果、腹部に強い痛みが生じ、子宮が収縮します。この症状が流産を引き起こす恐れがあるため、子宮筋腫についてもチェックが必要です。
子宮奇形
子宮奇形は、子宮の形状が正常ではない状態を表しています。子宮の形状に問題があると血流が滞りやすくなります。血液が届いていない場所に受精卵が着床した場合、うまく育たず流産につながる可能性があるでしょう。
子宮頸管無力症
子宮頸管無力症は、子宮頸管が弱くなって子宮口が開きやすくなる症状です。子宮頸管は膣と子宮口をつないでいる部分であり、力が弱まると赤ちゃんの成長とともに子宮口が開いていきます。子宮頸管無力症を発症している場合、3回以上流産を繰り返す習慣流産につながる恐れがあります。
ストレス・生活習慣
母体へ外部から伝わる影響も、流産の原因になる場合があります。たとえば、母親が強いストレスを感じると、流産を引き起こす恐れがあります。飲酒や喫煙などの生活習慣も流産につながるリスクがあるため、妊娠に気づいた時点で控えることが大切です。激しい運動も避け、体に負担をかけないようにしてください。
妊娠中期の流産のサイン
妊娠中期に流産が起きる場合、さまざまなサインが見られます。具体的なサインについて解説します。
おりものの変化
絨毛膜羊膜炎に感染して重症化した場合、おりものに変化が生じます。それまでよりもおりものが生臭くなるケースがあるため、よく確認しましょう。また、おりものの色が灰色っぽくなる人もいます。普段から自分のおりものがどんな感じなのか意識してみましょう。
出血
妊娠中期で進行流産を引き起こすと、出血が生じます。膣から大量の血が出たり、陣痛に似た痛みが生じたりします。そのような症状が出た場合は、早めにかかりつけの産婦人科に相談しましょう。
お腹の痛み・張り
流産が起きるときは、お腹の痛みや張りが気になるケースもあります。陣痛のように周期的な痛みが生じる場合もあります。そのような症状が出たり体を休めても症状が治まらなかったりする場合は子宮が収縮している可能性があるため、注意が必要です。
妊娠中期の流産に気づかない場合はある?
妊娠中期に流産しても、人によっては自覚症状がない場合もあります。自覚症状がない流産は稽留流産です。稽留流産では出血や痛みが生じませんが、お腹のなかでは赤ちゃんが亡くなっています。急に胎動が弱まったり感じられなくなったりしたら流産の恐れがあるため、かかりつけの産婦人科を受診しましょう。
妊娠中期に流産した後の経過
妊娠中期に流産すると、その後はどのような経過をたどるのでしょうか。以下で具体的に解説します。
稽留流産の場合
稽留流産の場合、流産しても胎児や子宮の内容物はそのまま残っています。待機的療法により、胎児や内容物が自然に排出されるのを待つケースも多いです。また、手術療法により、手術で子宮の内容物を排出する場合もあります。主治医の判断に従い、適切に対処してもらうことが大切です。
進行流産の場合
進行流産の場合、出血によって胎嚢が体の外へ排出されます。胎嚢がすべてきれいに排出されれば、子宮内の環境が整うと次の月経が始まります。ただし、子宮の内部に内容物が一部残っている場合は除去しなければなりません。具体的には、手術や薬などにより内容物を除去します。
妊娠中期の流産を防ぐために出来ること
妊娠中期の流産は、前触れなく突然起こることが多く、予防できないことがほとんどです。それでも少しでも防ぐために出来ることを挙げてみました。
飲酒を避ける
妊娠したら飲酒は避けましょう。妊婦中に飲酒すると、流産するリスクが高まるといわれています。流産にならなくても、赤ちゃんの出生時の体重が少なくなる可能性があるため注意しましょう。
タバコを吸わない
妊娠中は喫煙も控えましょう。妊娠しているときにタバコを吸うと、早期破水や早産につながるといわれています。また、胎盤異常や出生時の低体重の原因にもなります。
自己判断で薬を飲まない
妊娠したら薬を自己判断で飲んではいけません。多くの薬は妊婦でも服用できますが、胎児へ悪影響をもたらす薬もあります。薬を飲みたい場合は、必ず医師に相談しましょう。
妊娠中期におすすめの過ごし方
妊娠中期にはどのような過ごし方をすれば良いのでしょうか。ここでは、おすすめの過ごし方について解説します。
有酸素運動をする
妊娠中期になると体調が安定してくるため、適度な運動を取り入れましょう。特に、有酸素運動がおすすめです。ウォーキング、マタニティヨガ、マタニティスイミングなどを行い、無理のない範囲で体を動かしてください。
マタニティフォトを撮影する
妊娠の記念としてマタニティフォトを撮影する人も多いようです。妊娠中の体型の変化や妊娠中の様子を写真に残せば、貴重な思い出になるでしょう。妊娠中期に入ったら、ぜひマタニティフォトの撮影を検討してみてください。
両親学級へ参加する
体調が安定している妊娠中期なら、両親学級にもスムーズに参加できます。妊娠中の過ごし方だけでなく、出産の流れや子育てについても学ぶことが可能です。妊娠や出産に関する疑問点についても質問できます。
妊娠中期の生活上の注意点
妊娠中期に入ったら、注意点を守ればセックスしても構いません。性感染症予防のために避妊具を使用し、違和感が生じたらすぐに中止しましょう。
なお、妊娠中期に入って体調が安定すれば、旅行も可能です。ただし、妊娠中は血栓ができやすいため、こまめに立ち上がって予防する必要があります。
飛行機に乗っても問題ありませんが、エコノミークラス症候群に注意しましょう。エコノミークラス症候群は、長時間座りっぱなしになることで血栓ができる症状です。医師にも相談し、無理のない範囲で旅行を楽しんでください。
妊娠中期では母体に負担がかからないよう、注意しながら生活することが大切です。
体調などに違和感があるときは、かかりつけの産婦人科に相談しましょう。
「母子保険はぐ」は、妊婦と赤ちゃんのための保険です。申込みから1~3営業日で加入できるため、妊娠中のリスクに備えられます。
まずは、かんたん診断などから活用してください。
はぐ_メデ_0076_01