妊娠中期にお腹の張りを感じるのはなぜ?張りの原因と対処方法を紹介
妊娠中期は妊娠期のなかでも比較的心身が安定する時期といわれています。しかし、体調は人それぞれであるため、妊娠期特有のお腹の張りに悩む妊婦さんもいるのではないでしょうか。この記事では、妊娠中期のお腹の張りの対処方法を、具体的な症状や原因とともに詳しく解説します。お腹の張りを感じたときに、どのように対応すれば良いのかを知りたい妊婦さんは参考にしてください。
- お腹が張るとは?
- お腹が張ってしまう原因
- お腹が張りやすいのはどのような人?
- お腹が張るときの対処方法
- お腹の張り対策におすすめの姿勢
- まとめ
お腹が張るとは?
そもそも「お腹が張る」とはどのような状態を指すのでしょうか。お腹が張ったときに妊婦さんはどのように感じるかを解説します。
妊娠中のお腹の張り
子宮は筋肉からできている臓器です。子宮の筋肉は、普段は緩んでいますが、体を動かすなどして刺激が加わると緊張して収縮し硬くなる場合があります。この筋肉が硬くなった状態が、妊娠中に感じるお腹の張りです。医学的には「子宮収縮」と呼ばれています。
お腹が張るとどのような感じになる?
お腹が張ったときの感じ方は妊婦さんによってさまざまです。また、妊娠中の時期によっても変わりますが、妊娠中期の場合、「風船を膨らませたような張り」「バレーボールのような硬さ」と、お腹の張りを表現する妊婦さんもいます。
また、妊娠中期は通常、妊娠後期に比べるとお腹の張りは強くありませんが、それでも、自分で触って硬いと感じてお腹の張りを実感するケースも少なくありません。なかには、「触ったときに子宮の形がわかった」という妊婦さんもいます。
お腹が張ってしまう原因
妊娠中にお腹が張る原因はひとつではありません。ここでは、お腹が張ったときに考えられる主な6つの原因を紹介します。
子宮の収縮による張り
ママのアクティブな動きや疲れが刺激となり、子宮の筋肉が収縮したときの感覚を、お腹の張りと感じる人もいます。ただし、子宮の収縮は、体を動かすなどの特別な刺激を受けたときだけに起こるものではありません。妊娠自体が引き起こす子宮の収縮もあります。「ブラクストン・ヒックス収縮」と呼ばれる、痛みのない子宮の収縮です。
ブラクストン・ヒックス収縮は出産に向けた陣痛の練習で、何もしていなくても子宮が収縮します。妊娠後期から始まることが一般的ですが、妊娠中期から感じる妊婦さんも少なくありません。妊娠経験があると早くから感じやすい傾向があります。
子宮が大きくなっている
子宮は妊娠すると日に日に大きくなっていきます。個人差はありますが、鶏の卵が大きなスイカに変わるくらいになると言われています。通常ではない子宮の増大で子宮を覆っている膜が膨らむと、突っ張った感覚を覚え、それがお腹の張りと感じられる場合もあります。
子宮を支える靱帯が引っ張られている
子宮と骨盤は、円靱帯や基靱帯などのさまざまな靭帯でつながっています。子宮が大きくなることでつながっている靭帯が子宮に引っ張られて、お腹が張ったような痛みを感じる場合があるのです。特に、円靭帯は脚の付け根につながっているため、引き延ばされると、脚の付け根から引っ張られるような痛みを感じることがあります。
皮膚が引き延ばされている
子宮が大きくなるとお腹が膨らみ、体の表面にある皮膚が引き延ばされます。このときに皮膚が突っ張る感覚を、お腹の張りと感じる妊婦さんも少なくありません。ちなみに、妊娠中にお腹にひび割れのような線ができる妊娠線も、妊娠による急なお腹の膨らみで皮膚が引っ張られることにより現れる症状です。
便秘や冷えによるもの
便秘やガス溜まりでお腹が張るのは妊娠中に限ったことではありません。しかし、特に、妊娠中は腸の動きを抑制させる黄体ホルモンが増加するため便秘になりやすく、お腹の張りを感じやすくなります。
また、お腹が大きいことや体調の変化などによって体を動かす機会が減ることも原因のひとつとされています。冷えなどを起こして血流が悪くなると、子宮の筋肉が収縮するためお腹の張りを感じる場合もあります。
ストレスや疲労の影響
妊娠中は通常のときと同じように体を動かせない不自由さがあるため、疲れやストレスを感じやすいものです。過度な疲労やストレスはお腹の張りを引き起こす原因になります。
また、長時間同じ姿勢を取り続けたり、無理に動いたりする行動もお腹の張りを感じやすくさせるため注意が必要です。妊娠中は心身どちらに負担をかけることも良くないため、無理をせずに生活しましょう。
お腹が張りやすいのはどのような人?
お腹が張りやすい人とは、ここまでに紹介した原因が起こりやすい人です。たとえば、疲れやすい人やストレスを抱えやすい人は心身に過度な負担がかかるため、お腹の張りを感じやすくなります。また、体が冷えやすい人も血流の悪化から子宮の筋収縮を引き起こし、お腹の張りを促す場合があるため要注意です。
さらに、デスクワークなどで姿勢が長時間変わらない人や運動不足の人も、便秘や血行不良による冷えからお腹の張りを引き起こす恐れがあります。体を適度に動かさない生活は、ストレスを溜める原因にもなり得るため気をつけましょう。
お腹が張るときの対処方法
実際にお腹が張ったときにはどのように対応すれば良いのでしょうか。ここでは、具体的な対処方法をお腹の張りの原因ごとに紹介します。
冷えて張るとき
冷えを原因とするお腹の張りには、体を温める方法が有効です。暖房器具などで室内を快適な温度となるように調整するのも良いでしょう。また、ブランケットをかけたり服を着こんだりして、お腹周りを中心に体を温めるのもおすすめです。さらに、温かい飲み物を飲めば体を芯から温められます。
疲れやストレスで張るとき
疲れが原因でお腹が張ってしまったときには、体を休める方法が一番です。また、ストレスを感じたときには、意識的に休息を取ったり気分転換を行ったりして、しっかり解消しておきましょう。心身ともに元気な状態で出産の日を迎えるためにも、普段から無理をせず、疲れやストレスを溜め込まないようにしておくことが大切です。
便秘で張るとき
便秘でお腹が張ってしまったら、食生活が不規則になっていないか、食事のバランスが偏っていないか、自分の食生活を見直してみましょう。便秘を避けるためには栄養バランスの取れた食事と十分な水分摂取が必要です。特に、食物繊維が豊富な野菜、納豆やヨーグルトといった発酵食品などを積極的に取ると良いでしょう。
お腹を固定する
膨らんだお腹を、骨盤矯正ベルトや腹帯、マタニティ用のボトムや下着などで固定させると、お腹の張りが軽減されることがあります。
ただし、状況によってはお腹が締め付けられて、かえって苦しくなる場合もあるため注意が必要です。苦しいと思ったら、骨盤矯正ベルトや腹帯を緩める、体への負担をかけないゆったりしたラインの服に着替えるなどして、適宜対応しましょう。
規則正しい生活をする
規則正しい生活を心がけることは妊娠生活を健やかにすごすうえで重要です。普段の生活で睡眠や食生活が乱れていると、冷えや便秘などを引き起こす可能性があります。冷えや便秘は、お腹の張りにつながり得るものです。そのため、質の良い十分な睡眠とバランスの取れた食事を、正しいリズムで取るよう心がけることは大事なお腹の張り対策となります。
お腹の張り対策におすすめの姿勢
ここでは、お腹の張りを改善したい妊婦さんにおすすめの2つのポーズを紹介します。
骨盤高位
骨盤高位とは、膝を立てて仰向けに寝た状態で、お尻の下にクッションなどを挟むように敷き込みお尻を高くした姿勢です。意識的に深く呼吸をしながら、骨盤高位の体勢を15分ほど維持すると、重力で押し下げられていた子宮などの内臓が本来あるべき位置に戻り、張っていたお腹が柔らかくなります。
ポーズを取るときには、クッションが背中のほうに入り込まないようにしましょう。お尻ではなく背中の位置が高くなってしまうと呼吸がしづらく、内臓も引き上がりにくいため、効果が期待できなくなります。
ガス抜きのポーズ
ガス溜まりが原因のお腹の張りに有効なのがガス抜きのポーズです。リラックスヨガの定番で、ガスの排出を促すだけではなく便秘や腰痛の改善にも期待が持てます。
ガス抜きのポーズで最初に作るのは仰向けに寝て膝を曲げる姿勢です。お腹への圧迫を避けるために足は片方ずつ動かしましょう。続けて、息を吐きながら、上の写真のように曲げた片膝を両手で胸に押し付け、その後、息を吸いながら両手の力を緩めるまでの一連の動作を何度か繰り返します。
お腹が大きくて膝を胸に引き寄せにくい場合には、お腹に膝が当たらない位置に両足を広げて行うと良いでしょう。
妊娠中のお腹の張りは珍しいことではなく、自分で改善できる場合もあり、痛みなどが特にひどくなければ心配はいりません。しかし、妊娠中は通常にはない体調の変化から、さまざまな不安を感じやすいことでしょう。
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