妊娠初期は飛行機に乗れる?航空会社の規定や注意点を解説
妊娠初期の段階で飛行機に乗りたい場合、もしくはどうしても乗らなくてはいけない場合もあるでしょう。しかし、飛行機に乗ることで母体や赤ちゃんに影響が出るのではないかと不安になります。本記事では、妊娠初期で飛行機に搭乗するリスクや対処法を詳しく説明します。各航空会社の規定も見ていくので、飛行機に乗ることを考える際に役立ててください。
- 妊娠初期は飛行機に乗っても大丈夫な時期?
- 各航空会社の妊婦に対する規定を確認
- 妊娠初期で飛行機に搭乗するリスクとは
- おなかの赤ちゃんへの影響はない?
- 妊娠初期で飛行機に乗る前にできることとは
- まとめ
妊娠初期は飛行機に乗っても大丈夫な時期?
結論からいうと、妊娠初期は飛行機に乗ることを避けた方がいいでしょう。なぜなら、妊娠初期は母体・赤ちゃんの状態が安定しておらず、急に体調が悪くなることが考えられるからです。
そのため、一般的には体調が安定しやすい妊娠中期(妊娠16週~27週)であれば、飛行機に搭乗しても大丈夫とされています。
ただし飛行機の予約をとる前に、主治医へ相談した方が安心です。各航空会社で定められた規定を確認することも忘れないようにしましょう。
各航空会社の妊婦に対する規定を確認
以下ではJAL、ANA、スカイマーク、ピーチの4つの航空会社が定めている、妊婦に対する規定をまとめています。
(※いずれも2021年12月21日に各社の公式サイトを確認)
JAL・ANA
JALとANAの規定は、下表のとおりです。
出産予定日 | 規定 |
出産予定日28~8日以内 | 医師が作成した診断書の提出が必要 |
出産予定日7日以内 | 医師が作成した診断書の提出、および医師の同行が必要 |
JALとANAのルールは同一です。診断書は搭乗日の7日以内に作成する必要があるため、スケジュールに注意しましょう。
スカイマーク
スカイマークの規定は、下表のとおりです。
出産予定日 | 規定 |
出産予定日28~8日以内 | 医師が作成した診断書の提出が必要 |
出産予定日7日以内 | 医師が作成した診断書の提出、および医師の同行が必要 |
診断書は飛行機に乗る7日以内に作成されたものを用意します。なお復路便を予約する場合は、復路便の出発予定日から7日以内に発行されている診断書を用意しなければいけません。
ピーチ
ピーチが妊婦に対して定めている規定は、下表のとおりです。
出産予定日 | 規定 |
出産予定日28日~15日以内 | 医師が作成した診断書を搭乗の3日前に提出 |
出産予定日14日以内 | 医師が作成した診断書を搭乗の3日前に提出、および医師の同行が必要 |
ピーチの場合は、搭乗日の7日以内に作成された診断書を飛行機に乗る3日前までにあらかじめ提出しなければいけません。
妊婦向けのサービスを用意していることも
航空会社では、妊婦向けのサービスを用意しているところもあります。例えば、空港の受付など妊婦が優先的に手続きできる場合があります。これにより人混みの中で長時間立ち続ける必要がなくなるため、急な体調不良や転倒のリスクを低減できるでしょう。
他にも、オリジナルのマタニティタグを配布している航空会社も存在します。空港のカウンターで希望すれば受け取ることが可能です。おなかがまだあまり大きくなっていない妊婦でも、周囲の人に妊娠していることを理解してもらいやすくなります。
妊娠初期で飛行機に搭乗するリスクとは
妊娠初期で飛行機に搭乗する場合は、2つのリスクがあることを理解しておきましょう。
気圧の変化
まず考えられるのは、気圧の変化です。飛行機で上空へ行くと、気圧が変化するため吐き気や腹痛が誘発される恐れがあります。基本的にはあまり心配はないとされていますが、対処法としては飛行機に搭乗する際にゆったりとした服装にしておくと安心です。
万が一のことを考えて、トイレ近くの席や通路側の席をとっておくといいでしょう。また感染予防にもなるマスクを着用する方法もおすすめです。
エコノミークラス症候群
エコノミークラス症候群とは、長い間同じ姿勢で座ることで血流が悪くなることで起こる症状です。最悪の場合、肺血栓の原因になる恐れがあります。妊娠中は血液が固まりやすい状態になっており、血栓症のリスクが高いため注意が必要です。
エコノミークラス症候群を発症しないためには、飛行機に乗っている間に軽くストレッチするといいでしょう。30分に1回ほどつま先を動かしたり、足首を回したりします。おなかに気をつけて、ふくらはぎをマッサージするのも効果的です。
おなかの赤ちゃんへの影響はない?
飛行機に乗ることでおなかの赤ちゃんへの影響を心配する人がいますが、それほど深刻に考えなくてもいいでしょう。赤ちゃんよりも、むしろ母体の急激な体調変化の方を懸念することが大切です。
飛行機に搭乗する際は金属探知機やボディスキャナーを使用しますが、これらによる流産・奇形などの悪影響は出ないとされています。X線などで知られる放射線は照射されていなため、気にしなくて大丈夫です。
また上空は地上よりも放射線量が高くなりますが、被曝する心配はない程度といわれています。赤ちゃんへの大きな影響はないとされているため、搭乗当日は母体側の体調やストレスを最優先に考えるといいでしょう。
妊娠初期で飛行機に乗る前にできることとは
ここからは、妊娠初期で飛行機へ搭乗する前にできることを紹介します。以下に目を通して、万全の状態で飛行機に乗るようにしましょう。
主治医に相談する
まずは主治医に飛行機へ乗ることについて相談します。前述のとおり、飛行機に乗るためには医師の診断書が必要なケースもあります。また体調の移り変わりなど考慮する必要があるため、搭乗直前ではなくできるだけ早めに話しておきましょう。
目的地で利用できる産婦人科をチェックしておくと安心です。
できるだけ妊娠中期に搭乗する
妊娠初期や後期のタイミングで、飛行機へ乗るリスクは高いとされています。妊娠中期であれば安心というわけではありませんが、できるだけ体調が安定している時期に飛行機への搭乗を考えた方がいいでしょう。
どうしても妊娠初期で飛行機に乗らなければいけない場合は、医師や自分の体調とよく相談するようにしてください。
関連記事:妊娠初期の旅行はNG?移動手段別の注意点や持って行くと便利なものを紹介
関連記事:妊娠初期のストレスと赤ちゃんへの影響|原因や解消方法・リスクについても知っておこう
関連記事:妊娠初期のイライラは胎児に悪影響?おすすめの解消法6選
ゆったりした服装で飛行機に乗る
ぴったりとした服装は体を締め付けてしまい、血流を妨げる恐れがあります。血の巡りが悪くなると体調不良につながることもあるため、飛行機に搭乗する際はゆったりとした服装を選びましょう。
服装だけでなく、靴もゆとりがあるものだと安心です。スリッパを持参して機内で履き替える方法もいいでしょう。
食べ物・飲み物を用意する
食べづわりに備えて、機内に食べ物を持って行きます。ポイントはまとめて食べるのではなく、小分けに食べることです。手軽に食べられるヘルシーな食品が適しています。
また、飲み物を持参すれば、自分の好きなタイミングで水分をとれます。機内で販売している場合もありますが、血栓症のリスクを抑えるためにも自分で持って行くと安心です。
マスクを着用する
飛行機内でマスクを着用すれば、乾燥や匂いを防げます。感染症の予防策としても効果的です。においづわりに悩んでいる場合は、あらかじめタオルやハンカチに自分の好きなにおいを染みこませておいて持参するといいでしょう。
移動しやすい席を確保する
飛行機の席を予約するときは、トイレに近い席や通路側の席を選ぶのがおすすめです。妊娠中はトイレが近くなったり、つわりに悩まされたりすることが多いため、何かあったときのことを考えて移動しやすい席を確保しておくと安心できます。
母子手帳・保険証を持って行く
何もないことが一番ですが、万が一のことを考えて母子手帳・保険証を必ず持って行きましょう。母子手帳はかばんの奥底に入れてしまいがちですが、すぐに取り出せる場所に入れて同乗者にも場所を共有しておきます。
妊娠初期はおなかが目立たない時期であるため、必要に応じてマタニティマークを活用してください。
妊娠初期は母体・赤ちゃんの状態が安定していないため、できるだけ飛行機に乗ることを避けた方が安心です。エコノミークラス症候群などのリスクがあるため、安定しやすい妊娠中期を選ぶことをおすすめします。
どうしても妊娠初期で飛行機に乗らなくてはいけない場合は、医師に相談しましょう。搭乗する際は、ゆったりとした服装で万が一のことを考えて母子手帳・保険証などを持参します。
不安なことが多い妊娠中ですが備えることで不安の解消にもつながります。妊婦専用の母子保険はぐは生まれた赤ちゃんも保障でき、申込み後1~3営業日ですぐに加入できます。気になる方はまずは資料請求をお試しください。
はぐ_メデ_0029_01