妊娠初期は仰向けで寝ても大丈夫?妊娠中の寝る体勢と起こりうる症状について解説!
妊娠したら寝るときの体勢にも注意する必要があります。この記事では、妊娠初期の寝方について知りたい人に向けて、妊婦がどのような体勢で寝れば良いか解説します。仰向け寝によって引き起こされる症状やおすすめの寝方についても解説するため、ぜひ参考にしてください。
- 妊娠初期には仰向けで寝ても良い?
- 妊娠中の仰向け寝により起こる症状
- 妊娠初期の仰向け寝がNGな場合
- 妊娠中の仰向け寝はいつまでOK?
- 妊娠初期~後期までのおすすめの寝方
- 妊娠初期に寝方以外で気を付けるポイント
- まとめ
妊娠初期には仰向けで寝ても良い?
妊娠中は仰向け寝に注意が必要だといわれています。ここでは、妊娠初期に仰向けで寝ても大丈夫か解説します。
妊娠初期の仰向け寝は基本的に問題ない
基本的に、妊娠初期に仰向けで寝ても問題はありません。よく眠れたと感じ、朝に目が覚めたときに仰向けで寝ていたのであれば特に気にする必要はないでしょう。
人は、寝ている間にレム睡眠とノンレム睡眠を繰り返しています。レム睡眠の間は脳が起きており、体が休んでいる状態です。一方、ノンレム睡眠の間は脳が眠っており、体は起きています。ノンレム睡眠に入ると無意識のうちに体を動かし、筋肉の緊張をほぐして血流を促しています。そのなかで仰向けになってしまう場合もありますが、心配はいりません。
妊娠初期は寝る体勢にあまりこだわる必要がないため、自分自身が楽に寝られる体勢を選びましょう。
妊娠中の仰向け寝により起こる症状
妊娠中に仰向けで寝ていると、仰臥位低血圧症候群(ぎょうがいていけつあつしょうこうぐん)が起こる可能性があります。
妊娠初期は心配しなくて良いですが、お腹が大きくなってきたら注意が必要です。ここでは、仰臥位低血圧症候群の概要や影響について解説します。
仰臥位低血圧症候群とは?
仰臥位低血圧症候群とは、妊婦が仰向けで寝ると子宮の重みによって下大静脈が圧迫される症状です。血流が悪くなり、低血圧を引き起こす恐れがあります。仰臥位低血圧症候群は、妊娠の中期以降に起こりやすくなります。
脈が速くなったり意識障害に陥ったりする場合もあるため、注意が必要です。また、気持ち悪くなったり、吐き気を感じたりする人もいます。冷や汗をかくケースや顔色が悪くなるケースもあるでしょう。
病態は下大静脈症候群と同じですが、妊婦に生じるものを仰臥位低血圧症候群とよんでいます。妊娠中は、仰向けよりも体の左側を下にして横向きの体勢で寝るのがおすすめです。静脈の血流も改善できます。
仰向け寝が母体や胎児に与える影響は?
仰臥位低血圧症候群になると、その症状により母体や胎児が影響を受けるリスクがあるため注意が必要です。特に、仰臥位低血圧症候群が重度になれば、気を失う可能性もあります。その結果、母体の血流が悪くなって胎児に対する酸素供給量が減少し、胎児が低酸素状態になる恐れがあります。
母体そのものに対する酸素供給量も減少するため、母子ともに危険です。命の危機が生じる場合もあり、重大な問題につながります。よって、妊娠してお腹が大きくなってきたら、仰臥位低血圧症候群に十分気をつける必要があります。仰向け寝は避け、横向きで寝るようにしましょう。
妊娠初期の仰向け寝がNGな場合
妊娠初期であっても、体の状態によっては仰向け寝が適していない場合もあります。たとえば、仰向けだと寝苦しさを感じてすぐに目覚めてしまうなら、仰向け寝を避けたほうが良いでしょう。また、仰向けで寝るとお腹の張りや腰痛などが気になるときも、ほかの寝方に変えたほうが良いです。
体の左側を下にして横向きになる姿勢(左側臥位)にすると血流が良くなり、妊娠中でも快適に眠りやすくなります。寝方を工夫しても症状の改善がみられないときは、かかりつけの産科に相談してください。体に問題が生じていないか早めにチェックしてもらうと安心です。
妊娠中の仰向け寝はいつまでOK?
妊娠初期は仰向けで寝ても問題ないですが、いつまで仰向け寝をしても良いかは明確に決まっていません。人によっては、妊娠中に仰向けで寝ても特に問題が生じない場合もあります。妊娠中の寝方については、自分の体調を考慮しながら決めると良いでしょう。リラックスして眠れる体勢を選んで眠るのがいちばんです。
妊娠初期~後期までのおすすめの寝方
妊娠初期から後期にかけて、どのような寝方が適しているのでしょうか。ここでは、それぞれの時期に応じたおすすめの寝方を解説します。
妊娠初期の寝方
妊娠初期は、寝方によって母体や胎児が影響を受ける可能性はほとんどありません。そのため、寝方についてそれほど神経質になる必要はないでしょう。好きな体勢を選び、良質な睡眠をとれるようにすることが大切です。
妊娠中期の寝方
妊娠中期になると、だいぶお腹が大きくなってきます。そのため、仰向けで寝るのがつらいと感じる人も多いです。仰向けで寝るのがつらいときは横向きの姿勢になり、楽に寝られる体勢になりましょう。抱き枕やクッションなどを使用すると、より寝やすくなる場合もあります。自分の状況にあわせて体勢を調整してください。
妊娠後期の寝方
妊娠後期になると、仰向け寝による仰臥位低血圧症候群のリスクが高くなります。そのため、できる限り仰向け寝は避けるのが無難です。妊娠後期になったら、体の左側を下にして横になる寝方がおすすめです。この体勢は「シムス位」とよばれています。左足は楽に伸ばし、右足を左足よりも少し前に出すのがポイントです。
シムス位で寝れば、血流とともにリンパの流れも促進できます。むくみを解消する効果も期待できます。
妊娠初期に寝方以外で気を付けるポイント
妊娠初期は寝方以外にも注意したいことがあります。ここでは、気を付けるべき具体的なポイントを解説します。
重労働を避ける
妊娠初期は不安定な状態であるため、なるべく体に負担をかけないようにする必要があります。重労働は避け、疲労がたまる活動はしないようにしてください。激しい運動は体に負荷がかかるため、妊娠が発覚したら行わないようにしましょう。
妊娠初期の体に過度なストレスがかかった場合、妊娠に影響が出る可能性があります。日常的に行っている家事はいつもどおり行えますが、腰やお腹に力が入る動作はなるべく控えるべきです。
いつも以上に休息を取る
妊娠初期は、意識的に休息を取ることも大切です。妊娠すると、女性ホルモンの影響により普段以上に眠気を感じるようになります。また、ホルモンバランスが崩れ、体調が悪くなったりすぐにイライラしたりする人もいます。不安やストレスを感じやすい状態になっているため、可能な限り心身を休めるようにしましょう。
妊娠初期に無理をすれば、さまざまなトラブルにつながる恐れがあります。決して無理はせず、こまめに休息を取るようにしてください。
歯の健康を保つ
妊娠するとホルモンの作用により、虫歯や歯周病が発生しやすくなります。また、妊娠初期につわりで嘔吐すれば、胃酸が歯に触れるようになります。その結果、歯が溶けやすくなるため注意が必要です。
虫歯や歯周病は切迫早産の原因にもなるため、意識的にオーラルケアに取り組みましょう。つわりが収まってきたら歯科検診を受診し、口内の健康状態を確認するのがおすすめです。
妊娠したら寝方にも注意が必要ですが、妊娠初期のうちはそれほど神経質になる必要はありません。基本的には好きな体勢で寝て問題ないため、仰向けで寝ても大丈夫です。ただし、お腹が大きくなってくると仰向け寝により仰臥位低血圧症候群を引き起こすリスクがあるため、気をつける必要があります。
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