妊娠初期に「安静にして」といわれたら?過ごし方と注意点について解説
妊娠初期に医師から「安静」を指示されるケースもあります。「安静にして」と言われたら、赤ちゃんや生活の変化など、いろいろなことに対して不安を抱くはずです。この記事では、妊娠初期に安静を指示される理由と、過ごし方について解説します。正しい知識を身につけ、安静時の過ごし方を把握することで、不安を和らげられるでしょう。
- 妊娠初期に「安静にして」といわれる理由とは?
- 切迫流産について正しい知識を身につけておこう
- 「安静に…」と指示したとき、病院側の対応は?
- どの程度まで動いていい?自宅安静の過ごし方
- 安静が解除される目安は?普通の生活を送れるようになるタイミング
- まとめ
妊娠初期に「安静にして」といわれる理由とは?
妊娠初期に医師から安静の指示が出る主な理由は、切迫流産の危険性があるからです。切迫流産とは流産になりかかっている状態、つまり流産するリスクが通常よりも高い状態であることをいいます。出血や腹痛などの症状が見られやすく、出血量が多く腹痛の痛みが強いほど、流産する可能性が高いと考えられています。
現状、切迫流産から流産への移行を確実に防ぐ治療法や薬剤はありません。唯一できることといえば、安静にすることです。医師から安静の指示が出たときは、赤ちゃんを守るためにも、指示に従うようにしましょう。
切迫流産について正しい知識を身につけておこう
切迫流産と診断されても、必ず流産するわけではありません。正しい知識を身につけて、なるべく不安のないマタニティライフを送りましょう。
切迫流産の症状
切迫流産の主な症状には、不正出血と下腹部痛が挙げられます。これらの症状は切迫流産でなくても、妊娠初期に見られることもあります。しかし、「これくらいなら大丈夫」と自己判断するのは禁物です。救急外来を受診するほど緊急性はないと考えられるものの、医師には早めに相談するようにしましょう。
また、下記の症状が見られる場合は、すぐに受診するべきです。
・不正出血がダラダラと続く、量が多い、鮮血が続く
・下腹部がつっぱる感じではなく、痛みを感じる
受診するべきか迷ったときは、一度病院に電話で相談しておくとよいでしょう。
切迫流産になる原因
流産は妊娠全体のおよそ10~15%発生するといわれています。このうち、流産の兆候が見られる状態を切迫流産といいます。切迫流産の原因として最も多いのは、胎児の染色体異常です。また、母体側の原因としては、子宮筋腫などの子宮内の異常や病気、免疫・血液系の異常、過度なストレスなどが考えられます。
ただし、いずれにしても切迫流産の原因を特定するのは難しく、断言できないことがほとんどです。たとえ切迫流産になったとしても、お母さんは自分を責めないようにしましょう。
切迫流産=流産ではない!まずは安静が第一
切迫流産とは、流産のリスクが通常よりも高い状態です。しかし、必ず流産するというわけではありません。実際、切迫流産と診断されても、多くの場合は正常の妊娠に戻るといわれています。流産という言葉に不安を抱きやすいですが、考えすぎるとストレスとなり、それこそ赤ちゃんに影響を及ぼしかねません。
切迫流産の治療では、安静にして過ごすことが基本となります。まずは安静を第一に考えて、ネガティブなことは考えないようにしましょう。
「安静に…」と指示したとき、病院側の対応は?
切迫流産の危険性がある妊婦に対し、病院側では入院して安静にする方法と自宅安静の2種類で対応します。どの程度の安静が必要になるのかによって、入院か自宅安静かが決まります。
入院が必要となる場合は、赤ちゃんの心拍に異常が見られ、危険な状態にあると診断されたときです。必要に応じて、出血や子宮収縮を抑える薬を投与されながら安静に過ごすこととなるでしょう。自宅安静よりも行動が制限されやすく、トイレやお風呂、洗面など以外は、常にベッドで過ごすことが多くなりそうです。
どの程度まで動いていい?自宅安静の過ごし方
自宅安静の場合は、どの程度まで動いてよいのか迷うことが多いでしょう。そこで、自宅安静の過ごし方について解説します。
仕事
安静の指示が出た場合は、休職したほうが無難です。たとえデスクワークであっても、身体に負担はかかるので、休んだほうが安心でしょう。
仕事は誰かに代わってもらうことはできても、赤ちゃんを守れるのはお母さんだけです。「周りに迷惑をかけるかも…」と不安を抱くかもしれませんが、安静の指示が出ているときくらいは、周りに頼りましょう。
どうしても休めない場合は、在宅勤務に切り替えられないか相談してみてください。通勤の負担だけでも軽減できます。
家事
家事全般は立って作業するものが多いので、長時間(1~2時間)の家事は控えるようにしましょう。
例えば、食事の支度では、キッチンに立ち続けなければいけないので、身体に負担がかかります。なるべくパートナーや家族に協力してもらうか、短時間で調理できるように総菜やレトルト食品を活用するとよいでしょう。
また、洗濯や掃除では、必要最低限のことだけをして、細かいところはパートナーや家族に頼りましょう。ちょっとした汚れであれば、あまり気にしないというくらいの気持ちで過ごすと楽です。
トイレ
基本的に、トイレは通常通りで大丈夫です。トイレに行く頻度を少なくしたり、補助が必要になったりすることはありません。ただし、少しでも安静にしておくため、布団を敷く場所はトイレに近い部屋にするとよいでしょう。
また、トイレでのいきみは、腹圧がかかりやすいので、便秘気味の人は注意しましょう。いきみが原因で流産することはありませんが、お腹が張るおそれがあります。いきまずに自然に出るよう、便秘改善にも努めることが大切です。
お風呂
お風呂は思っている以上に体力を消耗します。なるべく湯船につからずにシャワーで済ませましょう。シャワーを浴びる頻度は、2日に1回が理想です。シャワーを浴びない日は、タオルで身体を拭いて、清潔に保ちましょう。
ただし、寒い時期は湯船に入って、芯から身体を温めたいときもあるはずです。そのときは、長風呂せずに、身体が温まった時点であがるようにすれば体力の消耗を軽減できるでしょう。
外出
自宅安静の指示が出たら、外出はせずに、家の中で安静に過ごさなければいけません。外出は身体に負担がかかるのはもちろん、出先には休憩場所が少なく、こまめに休めなくなります。買い物はパートナーや家族に頼んだり、ネットショッピングを活用したりするようにしましょう。
たとえ移動手段が歩きでなく、車や自転車であっても、安静中は外出を避けるべきです。
セックス
安静中のセックスは禁止されていることがほとんどです。セックスは子宮収縮が起こる可能性があるので、状態を悪化させてしまうおそれがあります。
また、安静が解除された後も、セックスには注意しなければいけません。セックスを再開してもいいかどうか、医師に確認することが大切です。セックスを再開する場合もお腹を圧迫する体位は控え、スキンシップ程度に留めておいたほうがよいでしょう。
安静が解除される目安は?普通の生活を送れるようになるタイミング
安静が解除される目安に、何日間という決まりはありません。出血量や下腹部の痛みなどの症状はあるか、赤ちゃんの心拍は安定しているか、などによって決まります。2~3週間ほどで普通の生活を送れるようになる人もいれば、2ヶ月以上かかる人もいます。症状には個人差があるので、一概に安静解除の目安を示すことはできないのです。
さらに、医師の判断によっても、安静が解除される時期は異なりやすいものです。ただし、出血や腹痛などの症状がなくなり、赤ちゃんの心拍も安定していれば、解除されることがほとんどです。
妊娠初期に安静の指示が出る場合は、切迫流産の危険性があることがほとんどです。安静せずに普段通り過ごしてしまうと、流産するおそれがあります。赤ちゃんを守るためにも、無理のない生活を送ることが大切です。
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